優勝候補・専大松戸を抑える快投!市立船橋の145キロ右腕・工藤将祐の投球、将来性を徹底分析、 実戦力・潜在能力の高さはプロでも活躍できる!
<第106回全国高等学校野球選手権千葉大会:市立船橋5-1専大松戸>21日◇5回戦◇千葉県野球場 【トーナメント表】千葉大会 21日までの結果一覧 市立船橋の工藤 将祐投手(3年)は優勝候補・専大松戸相手に8回途中まで1失点に抑える好投で、ベスト8入りに貢献した。1年生からマウンドを経験し、常時130キロ後半を投げ込む速球派右腕として活躍。ただ春は県大会2回戦で敗退し、あまり話題になっていなかったが、練習試合では常時140キロ中盤の速球を投げ込んでおり、密かにプロのスカウトから注目されていた投手だ。 海上監督から「この試合は任せた」と先発を告げられ、1人で投げきるつもりで投げ込んだ。投球フォームはダイナミックだ。左足を高々と上げて真っ向から振り下ろす動きは、巨人・戸田懐生投手(徳島インディゴソックス)を彷彿とさせる。自慢の速球は常時140キロ~145キロを計測し、平均球速は140.78キロと高校生右腕としては上級だ。角度を使って投げるフォームで、球質的にも打ちにくい。専大松戸打線はなかなか工藤の速球を捉えることはできなかった。 さらに良かったのは110キロ台のカーブ、130キロ近いスプリット。注目打者・中山 凱内野手(3年)には「直球だけでは抑えられないので」とスプリットで三振を奪った。イニングによって変化球主体にしたり、簡単にストライクに取りにいかず、慎重に攻めることができていた。 試合が進んでも球威は全く落ちず、140キロ台を投げ込んだ。右手の中指の爪が割れた影響で、8回途中で降板したが、与えた失点は押し出しによる1点のみ。もし爪の割れがなければ完投も狙えた内容だった。 ドラフト的な評価をすれば、ストレートの球質の良さ、変化球の精度の高さ、投球術の高さは一級品で、将来的には150キロ台を連発できそうな潜在能力も見られ、NPBも狙える逸材だ。高卒プロを選択しなくても、強豪大でも即戦力となりそうな実戦力の高さがある。どのステージに進むにしても、活躍できる投手だ。さらに勝ち進み、評価を高めることができるか注目していきたい。