U-17W杯の経験をチームに還元。日章学園の2年生エース高岡伶颯の献身「プロをイメージしながらまとめていく」
世界の舞台で圧巻の4発
2-0からの逆転負け――。後半の半ばに試合をひっくり返され、それでも一度は同点に追いついた。しかし、最終盤に勝ち越し弾を与えてしまう。 【選手権PHOTO】堀北・ガッキー・広瀬姉妹! 初代から最新19代目の藤﨑ゆみあまで「歴代応援マネージャー」を一挙公開! 最終的なスコアは3-4。試合終了のホイッスルが鳴ると、日章学園の選手たちはピッチに崩れ落ちた。エースのFW高岡伶颯(2年)もそのひとり。不甲斐なさをこれでもかと噛み締め、天を仰いだ。 12月8日に行なわれた京都U-18との高円宮杯U-18プレミアリーグ参入プレーオフの1回戦。プリンスリーグ関西を制した相手と力の差があるのは、戦前から分かっていた。それでも、粘り強く戦い、高岡も最前線から持ち前の機動力を活かしたプレーで存在感を発揮する。 21分にMF南創太(2年)が得意の左足で先制点を奪うと、10分後には高岡が魅せる。右サイドから中にボールを運ぶと、ペナルティエリアの手前から左足を一閃。U-17ワールドカップの初戦でセネガルから奪った先制点を彷彿させる強烈なショットで、チームの2点目をもぎ取った。 その後は相手の勢いに押され、防戦一方の展開に。前半の終了間際に1点を返されると、後半の立ち上がりにも失点。高岡も良い形でボールを受けられず、チームは62分に転弾を許した。 それでも背番号14は懸命にボールを追い、76分には自身のFKで同点弾を演出。87分の失点で試合には敗れたが、高岡のパフォーマンスは賛辞に値するものだった。 11月のU-17ワールドカップでは3戦連発を含む、4試合で4ゴールの大活躍。攻撃の切り札として期待されていた男は、一気にその名を世界に知らしめた。だが、満足感はない。心にあるのは、ラウンド16で敗退した悔しさだけ。 いくら結果を残しても意味がない――。勝負の厳しさを知った高岡はチームに戻ると、今まで以上にサッカーと向き合い、献身的にプレーした。 その姿勢は、京都戦でも随所に見られた。チームを引っ張る自覚が増したのだろう。試合中には仲間に声を掛けるだけではなく、プレーが切れたタイミングで何度かスタッフのもとへ行き、戦術を提案。チームメイトが足を痛めた際には、高校サッカー選手権を見据えて原啓太監督に負傷した選手の状況を細かく伝えた。
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