「許されない行為」 水俣病の懇談会でマイク切り発言制止 伊藤環境相が関係団体に謝罪
実は、すべての団体が発言できるよう、事前に、発言は1団体3分というルールを定め、環境省は団体にも伝えていました。 水俣病患者連合 松崎重光副会長 「(妻は)去年の4月に、『痛いよ、痛いよ』と言いながら、死んでいきました」 水俣病患者と認められないまま、去年亡くなった妻のことを話す、松崎さん。 しかし──
水俣病患者連合 松崎重光副会長 「水銀を垂れ流さなかったら、こういうことにはならんかったがねと、私はいつも家内と話していました」 環境省担当者 「申し訳ございません。話をおまとめください」 水俣病患者連合 松崎重光副会長 「……」
話を遮られ、間を置きますが、再び話し始める松崎さん。しかし、声が聞こえません。与えられた時間を超え、環境省側によって、一方的にマイクが切られたのです。 会場からは―― 「聞いてやれ~な、大臣!」 環境省内では、少なくとも去年から、時間を超えた場合は“マイクを切る”という決まり事があったといいますが、団体側には、そのことを伝えていなかったといいます。 「音量しぼった、ということだね?」 環境省の担当者 「事務局の不手際でございました。誠に申し訳ございません」
水俣病 関係団体 「マイクを切ったことは、どう思いますか?」 伊藤環境相 「私はマイクを切ったことについて、認識しておりません」 水俣病の関係団体側によると、マイクを切られたのは、3団体で3人いたということです。
8日、伊藤環境相は… 伊藤信太郎 環境相 「水俣病は、環境省が生まれた原点です」 環境省がつくられるきっかけとなったのが「水俣病」です。それゆえ、今回の問題は“大変遺憾”だ、と謝罪しました。 伊藤環境相 「ですので…環境省の大臣なので、このことをいかに大切に思っているか、ということをお伝えしたいと」
そして、8日午後5時すぎ、伊藤環境相は、熊本県水俣市へ。 伊藤環境相 「環境省の者が、発言中にマイクの音をしぼるという、大変申し訳ないことがありました。心からおわび申し上げたいと思います」 被害者などの団体に直接会い、謝罪の言葉を述べましたが、その責任を問う声もあがりました。 「同席しておられた、伊藤環境大臣の責任でもある」 伊藤環境相は、「3分は決して長い時間ではない。もう少し長い時間、話をする機会を検討したい」としています。