〈解説〉マイクロプラスチックが心臓発作や脳卒中、死亡と関連 人体への影響示す初の証拠
プラスチック問題の未来
スペース氏は、パオリッソ氏らによる今回の発見が「少々恐ろしく、おじけづくような」ものであることを認めつつも、こうした研究が引き起こす変化については希望を抱いている。人間のある活動が健康に悪影響を及ぼすという科学的な証拠が積み重なれば、やがて政策を変化させる転換点に達することを、公衆衛生の歴史は一貫して示してきたと氏は言う。 「かつて人類には、大気汚染が健康に悪影響を及ぼすことにまったく気づかず、それについて考えもしなかった時期がありました。それを科学が10年間で強力に立証したのです」とスペース氏。「それから人類が空気をきれいにする努力を始めた結果、目に見える効果が出ました」 「今後、(プラスチック問題に)取り組もうとする政治的な機運も高まると思います」とスペース氏は話す。これをきっかけにプラスチックがもたらすリスクに関する研究が進めば、「政策づくりにも役立つはずです」
文=Tara Haelle/訳=三枝小夜子