関東連続強盗「4つのエリア」なぜ狙われた? 「一般家庭を狙う」“闇名簿”の存在ーー身を守るためにはどうすればいいのか
筆者はある番組の取材に立ち会って本物の闇名簿を見たが、自宅住所や電話番号はもちろん「電話に応じる」「最近配偶者が死亡」「自宅内事務所に金庫有り」など、質問に応じたり自宅に立ち入ったりしなければわからないような情報が記載されていた。 つまり、怪しい連絡や訪問に応じてしまうと、闇名簿で「狙いやすい標的」として更新されてしまう。 対処のポイントは、ここで「更新させない」ようにふるまうことだ。 ハッキングされて個人情報が盗まれたり、悪意のある個人や企業が個人情報を漏洩したりすることは、一個人には止められないものの、訪問販売やアンケートには迂闊に対応しないことで、情報を更新させない努力はできる。
筆者が見た闇名簿には「携帯電話をすぐ切る」「アンケート回答に応じず」といった記載もあった。 次に、犯行の「予兆」を捉えて対応することだ。犯行グループは、必ず下見や不審な連絡をして、標的を定め、犯行計画を立てる。 本文冒頭に述べた地理的な範囲は、犯行グループにとって、こうした「下見」をし、犯行計画を立てやすい場所だっただろうと筆者は考えている。彼らは、住人の構成や内部を調査しやすい方法で「下見」する。
たとえば、作業員を装い、「台風シーズンになりますので屋根の点検をしましょうか」と訪問する、といった方法だ。余談だが、10年以上前には、こうした手法は詐欺に使われており、今ではより暴力的な犯罪に転用されるようになったのだろう。 ■“急がない110番”「#9110」の活用方法 重要なのは、自分が呼んでいない業者には対応しないというルールを決め、徹底することだ。自宅に他人を入れなくてはならない問題が起こったら、まずは信頼できる人に相談をしよう。障子の修理などでも、見る人が見れば、家族構成や経済状況はすぐわかってしまう。
住宅に、地域と関係がないナンバーの車が訪問してきたり、長く止まっていたりしたら、「#9110」か管轄警察署に情報を入れるようにしてほしい。 “急がない110番”と言われる警察相談専用電話の「#9110」は、まだ事件になっていなくとも、生活の安全に関する不安や悩みを相談できる。緊急用の110番回線を塞いでしまうことなく、不審情報を警察に集積することができる。 ただし、本当に緊急である場合や訪問者がしつこい場合は110番通報をすべきだ。