日本製鉄、USスチール買収は「間違いなく年内にクローズ」 トランプ氏返り咲き受け
日本製鉄の森高弘副会長は7日、東京都内で開かれた決算会見で、米鉄鋼大手USスチールの買収計画について「間違いなく、年内にクローズされると思う」との考えを示した。現在、独占禁止法と対米外国投資委員会(CFIUS)の審査が行われており、年内に判断が下される予定。森氏は「現政権の中で(買収の可否は)示されると思っている。審査には政治性はない」と述べた。 USスチールの買収をめぐっては、米大統領選で再選したトランプ前大統領が「日本に買わせることを許すべきではない」と阻止する姿勢を示している。 本社を置くペンシルベニア州は米大統領選の激戦州で、トランプ氏とハリス副大統領ともに買収に反対し、日鉄は政治に翻弄される形となっていた。 トランプ氏は来年1月に大統領に就任するが、森氏は「反対されるから早く進めるわけではない。審査期限が決まっているためだ」と強調した。 全米鉄鋼労働組合(USW)との交渉について、森氏は「選挙が終わって、冷静な議論ができる。今月に訪米する」と語った。 日鉄は2023年12月にUSスチールと買収に合意したと発表した。買収総額は約2兆円に上り、今年4~9月に買収を完了させる計画だった。当局の審査の承認や買収に反対するトランプ氏の再選で、不透明感が漂っている。