終末期のケアや過ごし方、家族らと共有を 「もしバナゲーム」で理想の最期を話し合う 沖縄・南城市
【南城】介護を考える南城市主催のイベント「ゆいまぁ~るフェスタinなんじょう」が11月22日、同市役所内であった。医療・介護連携コーディネーターの平田真紀さんが講演し「終活は財産相続やお墓の準備だけではない。最期まで自分らしく生きるための準備こそが大切」と説いた。「余命半年と宣告されたら」と仮定する米国発祥のカードゲーム「もしバナゲーム」を紹介し、元気なうちに家族らと価値観を共有しておく大切さを訴えた。(南部報道部・平島夏実) 【写真】沖縄県メモリアル整備協会が発行している「終活ノート」。葬儀やお墓の希望を生前に書き残せる 人は命の危険が迫ると、その後の治療法を自分で決めたり、希望を伝えたりするのが難しくなる。認知症であればなおさらで「もしも」を話し合っておくことで、自分の代わりに誰かが決断しなければならなくなった時に大きな助けになるという。 もしバナゲームのカードは計36枚。終末期のケアや過ごし方、人生観に関わる望みが書かれている。ゲームの参加者は自分が共感できるカードを選んでいき、最後にその理由を話し合う。 「私が望む形で治療やケアをしてもらえる」というカードをめくった参加者は「『枯れるような最期』が理想かな」と一言。「ピンピンコロリは、お別れの時間がないから周りはつらいかも」との意見も出た。 「穏やかな気持ちにさせてくれる看護師がいる」「呼吸が苦しくない」「痛みがない」の3枚を手に取った女性は「無意識に、偏っていますね」と苦笑い。別の参加者は「いい人生だったと思える」のカードに続き「人との温かいつながりがある」と「人生の最期を一人で過ごさない」の2枚を選び、「大切な人と一緒にいられるのであれば最期は自宅で迎えなくてもいい」と話した。 もしバナゲームは市役所内の地域包括支援センターが無料で貸し出している。問い合わせは同センター、電話098(917)5489。