【ウクライナ】~諦めないオリンピックへの道~ 戦争下で“戦う”柔道選手を取材
■合宿に参加できない選手も…本人にオンラインでインタビュー
一方で、合宿に参加できなかった選手がいる。デニス・トゥピツキー選手(24)だ。 トゥピツキー選手は、ウクライナ国内やヨーロッパの大会でも数多くのメダルを獲得している選手で、去年の日本合宿にも参加していた。 なぜ、今年は合宿に参加できなかったのか。
トゥピツキー選手は、ウクライナ国家親衛隊に所属。普段は、軍の任務につきながら合間をぬって柔道の練習に打ち込んでいる。今年は、ウクライナ国内の緊張から合宿に参加できなくなってしまったのだ。 トゥピツキー選手は、日本テレビのインタビューに応じてくれた。 ――合宿に参加できないと聞いた時、どう感じましたか? トゥピツキー選手「すごく落ち込みました。日本での合宿は、柔道のスキルを高めることだけではなく、日本の文化を学んだり、人生で役に立つこともたくさん学ぶことができる機会です」 日本での合宿は、技だけでなく日本文化を肌で感じることができる特別なものだと話したトゥピツキー選手。 トゥピツキー選手「大好きなこと(柔道)に集中したいです。柔道は私にとって、ただのスポーツではなく、私の人生です」
■トゥピツキー選手についてチームメートは…
去年の合宿にも参加していたアナスタシア選手は、今回、不参加となってしまったトゥピツキー選手についてこう語る。 アナスタシア選手「デニス(トゥピツキー選手)は選手として、そして人間としてもとても勇敢です。私は来日できてうれしいですが、彼がいないと物足りないです」
■どんな状況でも追い続ける トゥピツキー選手が目指す“夢の舞台”
来日がかなわなかったトゥピツキー選手。柔道選手としての夢について尋ねると… トゥピツキー選手「ロス五輪は一番の目標でもあります。子どもの頃から柔道をやり始めて、オリンピックの舞台に立ちたいと思っていました。しかし、今のウクライナの状況…空襲警報の中で練習を行ったり、トレーニングの時間が不足していたりしているので、夢を実現できるか分からないです。でも、実現できるようにあらゆることをします。小さなことからはじめて大きな目標まで目指します」 夢は「オリンピック出場」と笑顔で語ったトゥピツキー選手。 4年後のロサンゼルスオリンピック出場に向け、どんな状況でも練習を続けていくという。