角界異例“大の里列車”が第2の故郷・新潟で今秋運行 トキ鉄ラッピング計画浮上
大相撲夏場所で、初土俵から7場所目で最速初優勝を飾った小結・大の里(23)=二所ノ関=の第2の故郷である新潟県内で今秋、“大の里列車”が走る計画があることが28日、分かった。6年間を過ごした新潟・糸魚川市の能生中学、海洋高校の最寄りを走る「えちごトキめき鉄道」で、大の里らのラッピング列車を秋場所(9月8日初日、東京・両国国技館)後に走らせる異例の計画が浮上している。また、同市で大の里らの等身大パネルを設置するプランがあることも判明した。 【写真】大の里の初Vに号泣する父・知幸さん 日本海に沈む美しい夕日の海岸線を“大の里号”が駆け抜ける。大の里が6年間過ごした能生中、海洋高の最寄り・能生駅を走る、えちごトキめき鉄道(トキ鉄)日本海ひすいラインで海洋高出身力士を応援する「ラッピング列車」を走らせる“凱旋プラン”が明らかになった。順調にいけば、秋場所後に新車両の「出発式」を行い、お披露目される予定だ。 関係者によると、大の里、十両・白熊(25)=二所ノ関=、同・欧勝海(23)=鳴戸=らの“海洋高出身力士を応援する会”の発足プランが進行中。その一環でトキ鉄にラッピングし応援する計画が持ち上がったという。糸魚川市役所関係者は「計画は聞いてますが、(デザインなど)詳細はこれから」と話すにとどめたが、大の里を中心とした関取(十両以上)の姿が描かれそうだ。 トキ鉄は過去に旧国鉄時代の横須賀線(東京~神奈川)や新潟県内を走った金太郎塗りと呼ばれる「新潟色」のラッピングトレインを運行。地域住民や鉄道ファンを楽しませてきた。“大の里号”が実現すれば、全国の相撲ファンも訪れ、豊かな自然を持つ上越地方の町おこしにもつながる。 さらに、JR糸魚川駅や糸魚川市役所などに192センチ・大の里の等身大パネルを設置する案も浮上。故郷の石川・JR金沢駅と小松空港では昨年12月に十両・遠藤(33)=追手風=、同・輝(29)=高田川=の等身大パネルとともに置かれ、観光客を中心とした撮影スポットになっている。糸魚川市でも新たな観光の目玉となりそうだ。 糸魚川市では夏場所千秋楽でパブリックビューイングを3か所で開催。計250人が観戦に訪れ、喜びを分かち合った。関係者は「大の里関は人気がある。糸魚川市もすごい盛り上がり」という。夢の大関そして、横綱昇進へ。第2の故郷の盛り上がりも大きな背中を押していく。 ◆大相撲とラッピング電車 フィルムを使用したラッピング車両は1990年代に登場。大相撲界では2004年に高見盛が日本酒の「日本盛グリーンパック」のキャンペーンに起用され、JR山手線に登場した。14年には秋巡業「高松場所」をPRするため、香川県のことでん琴平線で当時横綱の白鵬らがラッピングされた車両が走った。
報知新聞社