バントだけで2時間半...徹底した練習でベスト8入りした千葉県有数の実力校が目指す野球
と同時に、何事にも全力で取り組むことの必要性を学んだ。 「全国に出場しましたけど、強いチームではなかったですし、当時は午前中に練習をやったら、午後から仕事に出ていました。他のチームとは少し違った形でしたので、反骨心はありましたし、負けん気はありました。そういう逃げるとか、気持ちで引くことがあると、エラーに繋がりますから。だからどんな相手にも勝負すれば、いい勝負が出来ることは伝えています」 だから、仕事に対しても真摯に向き合った。そのおかげもあり、「球場に来てもらったり、応援をしてもらえたりしたと思います」と前田監督は話しており、改めて取り組む姿勢の大切さを語った。 実際に、流通経済大柏ではメンタルトレーニングの一環で、本気朝礼と呼ばれる取り組みをやっている。「全力で取り組む姿勢を引き出す」ことを狙っている。前田監督の中では「まだまだなんですけど」と納得はしていないようだが、自身の経験を踏まえて、選手たちの姿勢を変えようとしている。
Aシード、そして初の甲子園へ
その姿勢という部分では、大石たちの世代は経験の浅いこともあり、新チーム発足時は物足りない部分があったそうだ。 「8月から練習試合を戦っていても、5試合くらい勝てなかったんです。経験値がないからか、特に野手陣が余裕なくて気がついたら点差を付けられるケースが多かったんです。 だから、選手同士でミーティングをやって『人任せ過ぎないか』みたいなことを話しました。まずは2年生が中心になるんだ、と自覚を持つこと。人任せになっている感覚だったので。そうしたら副主将から徐々にチーム全体が変わって。予選前に県外の強豪と対戦しても勝てるようになって、自信がついてきましたね」 守備のエラーが減り、バントの成功率も高まった。「自分たちのペースで試合がを進めて、勝ち切れる形が見えてきた」なかで、流通経済大柏は予選に入った。残念ながら成田には7対11で敗戦。「自滅してしまった」という悔やむものの、四球を出すなど敗因は明確になっていた。 だから「監督から『やるしかない、次から本当の勝負になってくる』という言葉で自覚を持って戦えた」と敗者復活戦からは勢いに乗った。