各地で問題のPFAS 岩国基地近くでも指針値超え 今津川河口付近 米国の平和団体調査
米軍と海上自衛隊が共同で使う岩国基地(山口県岩国市)そばの今津川河口付近での米国の平和団体の調査で、発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)が国の暫定指針値(1リットル当たり50ナノグラム)を超え検出された問題で、岩国市は5日、環境省や山口県にモニタリング調査の実施を依頼する考えを明らかにした。 【写真】米国の平和団体の調査でPFASが指針値を上回った今津川河口の地点。奥は岩国基地の滑走路 PFASの代表的な物質であるPFOSとPFOAについては、2019年度に環境省、21年度に県が基地周辺の海でそれぞれ調査している。結果はいずれも国の暫定指針値を下回っていた。福田良彦市長はこの日の市議会一般質問で「年数が経過していることからモニタリング調査の検討を依頼したい」と述べた。 一方、米国の平和団体の調査結果について市は「採水や分析の方法が確認できないため、調査結果を評価することができない」とした。 PFASを巡っては、米国の平和団体「ベテランズ・フォー・ピース」(VFP)が、5月下旬に日本の市民団体が基地周辺で採取した水を調査。PFOSとPFOAの合算値が、基地北側の今津川河口で1リットル当たり89・3ナノグラムと暫定指針値を上回った。県環境政策課は市の調査依頼方針について「現時点では答えられない」としている。
中国新聞社