北陸の夏 ラニーニャへ 猛暑と厳しい残暑 熱中症警戒アラート回数 再び全国1位も
ラニーニャ現象の発生 太平洋高気圧の北への張り出し強まる
5月10日、気象庁大気海洋部から発表されたエルニーニョ監視速報によると、このあと、エルニーニョ現象は終息に向かう見込みです。その後、夏から秋にかけては、ラニーニャ現象が発生する可能性が高くなっています。 ラニーニャ現象が発生すると、夏の高気圧(太平洋高気圧)の北への張り出しが強まり、日本列島全体が更に暖かい空気に覆われやすくなります。8月のお盆の時期を過ぎても残暑が厳しくなる可能性があります。 また、例年の台風の進路は、8月⇒9月にかけて徐々に南へ後退していきます。ところが、秋にかけて夏の高気圧(太平洋高気圧)の北への張り出しが強い状態が続くと、台風が本州付近に近づいた場合、日本海コースとなりやすくなります。強いフェーン現象がたびたび発生して、北陸地方では著しい高温となる日が出てくる可能性もあります。 2023年の熱中症警戒アラートの発表回数の多いランキングを見ると、新潟県と長崎県がともに1位で42回、以下、鹿児島県、熊本県、和歌山県と続き、石川県が6位で36回、富山県が京都府や静岡県と並び15位で29回等、南国と称されたり、一般に夏が暑いとされる府県に混ざり、北陸地方が上位に食い込んでいます。今夏も、厳しい暑さが予想されますので、熱中症などの体調管理、農作物などの温度管理や水の管理には十分な注意が必要です。
エアコンは適切に使い上手に節電
①エアコン内部のフィルターが汚れると、吸い込む空気の量が減り、部屋を冷やす力が弱まり、多くの電気代がかかってしまいます。フィルターの掃除はこまめに行いましょう。 ②室外機の周囲に物が置かれていると、室内の熱が外に出にくくなり、室内の冷却効果が弱まってしまいます。室外機の吹き出し口付近には物を置かないようにしましょう。 ③冷たい空気は密度が高いため、室内では床面付近にたまりがちです。風の向きを上向きにする、もしくは水平方向に調整する等して、冷たい空気が床面近くに滞留しないようにしましょう。エアコンとあわせて扇風機等を使って室内の空気を混ぜるのも効果的です。⇒(設定温度を低く下げ過ぎることの防止にもつながります) ④室内に強い日差しが入ると、冷却効果が弱まってしまいます。ガラス張りの室内は、カーテンやすだれを使って強い日差しが室内に入らないようにしましょう。
日本気象協会 北陸支店 河原 毅