故障懸念も待望J1舞台へ。なぜ52歳のカズはJキックオフカンファレンスに一人だけスパイクを履いてきたのか?
もっとも、いま現在のカズは戦線離脱を余儀なくされている。恒例となっている常夏の島グアムでの過酷な自主トレを年末、年始と2度実施。コンディションをしっかり作りあげ、1月中旬から参加した和歌山県内での1次キャンプの大半を、左臀部痛を訴えて別メニュー調整で終えた。 1月下旬からスタートした宮崎県日南市内における2次キャンプで再合流。4日に行われた栃木SCとの練習試合で35分間プレーするまでに回復したものの、紅白戦が実施された6日の練習中に再び同じ箇所を痛めて離脱。8日の帰京後には精密検査を受けている。 「検査の結果、大きな問題はなかった。思っていたよりもよかったのでちょっと安心しました。一昨日から練習も始めて、明日ぐらいからはウォーミングアップからできるところまで参加しようかな……いや、参加できると思います。来週の状態がどうなるか、というところですね」 カンファレンス中に行われた囲み取材で、カズは今日15日にも部分的ながら合流できる状態にあると明かしている。精密検査に約半日ほどあて、複数の医師による診断でセカンドオピニオンも仰いだ結果として、リーグ戦の開幕を前に「勇気をもって、思い切りやれる」と笑顔を見せた。 「自分の力を100%に近い状態で発揮できる、かなりいい状態になっていたので。いける、いけるという感じで紅白戦にも参加したなかで、痛みがまた走ってしまいました。紅白戦で8割ぐらいの力でプレーしてもよかったのかなとは思いますけど、それでもあれを乗り越えられないようでは、自分をもうひとつ上のステージへはもっていけないので。そこで起こったことですからしょうがないですけど、大事に至らなかったので本当によかったです」 過去に唯一、J1へ挑んだ2007シーズンは、惨憺たる結果に終わっている。シーズンを通してあげた白星はわずかに4つ。リーグで断トツとなる26もの黒星を喫し、総得点19に対して総失点が66を数えた末に最下位にあえぎ、1年でJ2へのUターンを余儀なくされた。