診察後に入院することに…大部屋が空いていないため個室にされましたが、差額は請求されるのでしょうか?
入院する際に「大部屋の空きがない」といって個室に案内される場合、差額が請求されるのか気になる方もいるでしょう。差額ベッド代は患者が個室や設備が整った部屋を希望した場合に発生しますが、病院側の都合で割り当てられる場合、基本的に請求されないでしょう。 ただし、同意書に署名を求められた際には請求されるおそれがあるため注意が必要です。本記事では差額ベッド代が請求されるケースと、されないケースを解説します。入院の予定がある方は、ぜひ参考にしてください。
差額ベッド代とは
差額ベッド代とは、料金が発生する部屋に入院した際に支払う費用です。厚生労働省によると、料金が発生する際は以下の条件をクリアする部屋でなくてはならないようです。 ●特別の療養環境に係る一の病室の病床数は4床以下であること ●病室の面積は1人当たり6.4平方メートル以上であること ●病床ごとのプライバシーの確保を図るための設備を備えていること ●少なくとも下記の設備を有すること (個人用の私物の収納設備・個人用の照明・小机等及び椅子) 差額ベッド代は個室だけでなく、4人部屋でも発生します。上記より、備品がそろっていたりプライバシーを守る設備が整っていたりすると発生すると想定されます。具体的にどれくらいの費用が必要なのか、次で詳しくみていきましょう。
差額ベッド代にかかる費用
厚生労働省が発表している、差額ベッド代にかかる1日あたりの費用は表1の通りです。 表1
出典:厚生労働省「中央社会保険医療協議会 総会(第548回)議事次第 総-3-2 主な選定療養に係る報告状況」を基に筆者作成 平均でみた4人部屋と1人部屋では、5617円程度の差があることが分かります。1週間入院した場合は1人部屋で5万8254円程度、最も安い4人部屋でも1万8935円程度の負担がかかり、大きな出費と感じる方もいるでしょう。 ただし、入院先によっては費用が異なるため、詳しい内容は各病院の受付に確認してみてください。 ■差額ベッド代が請求されるケースとされないケース 差額ベッド代は料金が発生する病室を指定したり、説明を受けて承諾したりした際に請求されます。病室を指定しておらず、承諾もしていない場合は基本的に発生しません。 厚生労働省の資料を基に、「患者に特別療養環境室に係る特別の料金を求めてはならない場合」の具体例をご紹介します。 ●同意書による同意の確認を行っていない場合(当該同意書が、室料の記載がない、患者側の署名がない等内藤が不十分である場合を含む) ●患者本人の「治療上の必要」により特別療養環境室へ入院させる場合 ●病棟管理の必要性等から特別療養環境室に入院させた場合であって、実質的に患者の選択によらない場合 特別療養環境室は、救急や術後の監視が必要な場合などに通されます。さらに、免疫力が低下しており感染症のリスクがある場合や集中治療の実地が必要な場合、精神的苦痛を取り除く必要がある場合などは個室に入院しても請求されないようです。 患者の意志でない場合、差額ベッド代は発生しないため、病院側の都合で個室にされた場合の差額は請求されないでしょう。 ただし、説明を受けて同意書にサインした場合は差額ベッド代が発生するため、納得したうえで署名するようにしましょう。