中山秀征『THE 夜もヒッパレ』に見たプロの仕事術 安室奈美恵らと作り上げた「妥協なき華やかさ」
14歳でデビューして以来40年以上にわたり、バラエティ番組や情報番組の司会、俳優、歌手として活躍している中山秀征さん。現在は日本テレビ系の『シューイチ』でMCを務めていますが、テレビタレントとしての原点は『DAISUKI!』(1991~2000年)と『THE夜もヒッパレ』(1995~2002年)にありました。本記事では中山さんの著書『いばらない生き方 テレビタレントの仕事術』から一部を抜粋・再編集し、『THE夜もヒッパレ』制作の現場で繰り広げられていたプロの仕事術についてご紹介します。 【画像】中山秀征が『THE夜もヒッパレ』で学んだ明るく生きるヒント」とは?
■苦肉の策で生まれた『THE夜もヒッパレ』 『DAISUKI!』と並ぶ、中山秀征のもう一つの原点が、日本テレビ系で放送されていた『THE夜もヒッパレ』(1995~2002年)です。番組が始まったとき、僕は20代後半でした。 放送終了から20年以上経った今も、「24時間テレビ」などで何度か復活していますが、その都度、音楽バラエティならではの楽しさと充実感、そして、ハンパない緊張感が蘇ってきます。 「ヒッパレ」は妥協を許さない“プロの仕事場”でした。
最新のヒットチャートを、本人以外のアーティストが歌う……という「ヒッパレ」の企画は、実は苦肉の策で生まれたと聞いています。 番組が始まった90年代中頃は、ドラマやCMのタイアップからミリオンセラーが次々と生まれていた“J‒POP黄金期”。アーティストにとっては、それまでのように歌番組に出なくても色々なメディア戦略でCDが売れるようになっていました。 つまり、誰もが知るヒット曲は多いけど、全てのアーティストが歌番組の出演に積極的なわけではないーー。そんな状況が「本人以外のアーティストが最新のヒット曲を歌う」という“発明”につながったそうです。
この番組に出演するアーティストは皆、「人の歌を歌うからこそ」と、歌を大切にする想いが強く、渡辺真知子さん、つのだ☆ひろさん、尾崎紀世彦さんなど、レジェンド歌手の方々の圧巻の歌唱力に加えて、のちに〝アムラー現象〟を巻き起こす安室奈美恵さんら、SUPER MONKEYʼS の新人離れしたパフォーマンスも話題となり、たちまち人気番組になりました。 オンエア翌日に、ヒット曲のCDがさらに売れるという意外な相乗効果も生まれて、「ウチのアーティストの曲を、あの人に歌ってもらえませんか?」と、レコード会社からオファーがくることもあったらしいです。