仮想空間で不登校児支援 長野県松本市教委がオンライン拠点開設
長野県松本市教育委員会は今秋、インターネット上の仮想空間・メタバースを活用したオンライン教育支援センターを開設した。これまで支援が届きづらかった不登校児童・生徒への接点を確保し、居場所や社会とのつながりを提供する。 里山辺の市教育文化センター1階に先月設けた。会計年度任用職員や県の「多様な学び支援コーディネーター」など5人が交代で運営する。米バーベラ社のメタバース空間「FRAME(フレーム)」を活用。参加者の分身・アバターにニックネームを付け、アバター同士が掲示板やチャット、動画などの機能を使って交流する。空間は24時間開放し、平日の日中は時間割を組んで、趣味の紹介やストレッチ体操などのコミュニケーション活動をする。 参加状況によっては、校長の判断で授業への出席扱いとすることもある。すでに市立小中学校の全ての保護者に支援内容や申し込み方法を周知していて、利用希望の児童生徒は施設職員と1時間半の面談をして利用を始める。20日時点で43人から申請があり、25人のアカウントを発行した。 市によると、昨年度に市立学校を30日以上欠席したのは小学生で404人、中学生で371人。うち約4割がフリースクールなどで何らかの支援を受けているが、それ以外の児童生徒への適切な支援の提供が課題となっていた。市内の支援機関・団体との連携を進め、個別最適な支援につなげる。 オンライン教育支援センターの瀧澤公也さん(62)は「子供にとって都合のいい時間や手段で、外部との関わりを広げてもらえるといい」と話していた。
市民タイムス