「月9の爆死」しか話題がなかったのに…いつの間にか「ドラマのフジ」の逆襲が始まっていた!
斬新な設定がファンの心を鷲掴みに
新しい1年がスタートした。民放GP帯では1月9日からスタートした『プライベートバンカー』(テレビ朝日系)、『日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった』(フジテレビ系)など、’25年の冬ドラマも話題作が目白押しだ。ふり返ってみれば、’24年もさまざまなドラマが話題になったが、とくに前クールの秋ドラマは終わってみれば秀作揃いだったという評判が高かった。 【自殺、失踪、ゴミ屋敷…】さまざまな不動産にまつわる奇怪な事件の謎を解く! 中でも今までにない斬新な設定で、ドラマファンの心を鷲掴みにしたのが藤原竜也(42)&広瀬アリス(30)主演の『全領域異常解決室』(フジテレビ系)だ。ドラマ事情に詳しいライターは次のように語っている。 「正直、4話までは中途半端な事件解決ものという印象で、脱落寸前でした。ところが第5話で一気に話がひっくり返った。メインの登場人物たちが実は全員八百万の神、というまさかのキャラ設定が明らかに。そこから人間と神の戦い、という新し過ぎる展開に突入していき、SNS上も一気に盛り上がり始めました。 ネタバレになるので言いませんが、ラストも非常によくできていて、続編を望む声が大きい。フジを代表する新しい一作になる可能性大です」 『全領域~』の前評判は決して高くなかった。それが完全に下馬評を覆した形だ。実は前期のフジは、他にも良い意味で期待を裏切った作品が多い。 「その一つが、月9枠で放送された『嘘解きレトリック』です。作品は貧乏で借金だらけの探偵が、人の嘘が聞き分けられるという助手(松本穂香・27)とともに、さまざまな事件を解決していく探偵劇。この主演に、まだまだ人気も実力も未知な若手俳優・鈴鹿央士(24)を思い切って抜擢した。これが大正解。 彼の何とも言えないほっこりした雰囲気と、昭和初期というレトロな空気感がぴたりとハマり、ミステリーながら『心温まる』と好評を博した。恋愛要素においても、これまでの月9で描かれてきた直球の恋愛ドラマより、はるかに高い共感を得ました。こちらは続編どころか、シリーズ化を期待する声が高まっています」(前出のライター) 思い切って新たなジャンルや設定に挑戦したことが見事、吉と出た結果に。しかしフジテレビといえば、ここ最近は月9の瀕死ぶりや視聴率の低迷など、「ドラマのフジの凋落」ばかりが話題になっていた。それが、どうやら新たな活路を見出した印象だ。 ◆『嘘解き~』の好評は必然だった この変貌ぶりが気になり、関係者たちに取材をおこなってみることに。するとフジテレビの広報担当の1人は、次のように述べていた。 「意外と言われている『嘘解きレトリック』の好評ぶりですが、私たちにとっては意外でも何でもありません。というのも『嘘解き~』の演出とプロデュースは、大ヒットシリーズ『ガリレオ』を生み出した西谷弘・鈴木吉弘コンビ。 他にも、『ひとつ屋根の下』や『ロングバケーション』などを手がけた永山耕三氏、『HERO』シリーズや『マスカレード』シリーズをヒットさせた鈴木雅之氏、『救命病棟24時』などの河毛俊作氏と、そうそうたる人たちが演出を担当しているんです。まさにフジを代表する顔ぶれが作っているドラマなので、絶対良いものになるだろうと確信していました」 『全領域~』も同様だ。『コンフィデンスマンJP』(’18年)や『リーガル・ハイ』(’12年、’13年)、『アンフェア』(’06年)など、これまたヒットメーカーとして名高い顔ぶれがプロデュースや演出を務めている。加えて脚本を担当したのは、映画『キングダム』シリーズや『グランメゾン・パリ』を手がけるなど、今ノリに乗っている黒岩勉だ。 「これだけ層の厚いスタッフを抱えているのは、やはり長年ドラマで実績を積んできたフジならでは。フジは最近も、社会派エンタメドラマ『エルピス-希望、あるいは災い-』(’22年)や、その重たい内容が賛否を呼んだ『海のはじまり』(’24年)など、新しいジャンルへの挑戦を試みていました。その努力がようやく実り始めている印象です」(テレビ誌編集者) つまり、“斬新”と言われた『全領域~』や『嘘解き~』のヒットは、一朝一夕に生まれたものではないということ。それだけに今後も気になるところだが、間もなく始まる冬ドラマでは、11年ぶりのフジ主演となる香取慎吾(47)主演の『日本一の最低男』や、今もっとも勢いのある若手の1人・清野菜名(30)主演の『119エマージェンシーコール』などが登場する。設定も、選挙&ニセモノ家族ドラマという全く新しいジャンルから、オーソドックスな群像劇など幅広く、期待大だ。 しばらく、“フジテレビの逆襲”から目が離せそうにない。 ※「FRIDAYデジタル」では、皆様からの情報提供・タレコミをお待ちしています。下記の情報提供フォームまたは公式Xまで情報をお寄せ下さい。 情報提供フォーム:https://friday.kodansha.co.jp/tips 公式X:https://x.com/FRIDAY_twit
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