厚生年金の平均受給額は約14万円。老後に向けて年金を増やしたいときに取れる対策5つ
年金を増やしたいときに取れる対策5つ
年金受給額を増やすには、どうしたらよいのでしょうか。ここでは、年金を増やしたいときに取れる対策を5つ紹介します。 ・年金を繰下げ受給する ・定年後も働く ・iDeCoに加入する ・国民年金に任意加入する ・付加年金に加入する ●年金を繰下げ受給する 年金の受給開始は原則65歳からですが、受給開始年齢を66歳~75歳まで遅らせることが可能です。これを「繰下げ受給」といいます。受給を1か月遅らせるごとに年金額が0.7%増加し、75歳で受給すれば年金額が最大84%増えます。 ただし、年金は生きている間しか受け取れません。繰下げ受給を選択した場合、受給開始から期間が浅いうちに亡くなると、65歳から受給を開始したほうが総額で多くなる可能性がある点には注意が必要です。 ●定年後も働く 国民年金と異なり、会社員や公務員が加入する厚生年金は70歳まで加入が可能です。定年後も働き続けることで、老齢厚生年金の受取額を増やせます。定年後も働くことで増額される年金額は以下のとおりです。 60歳以降に増額される老齢厚生年金の年金額=平均標準報酬額×5.481/1000×加入月数 たとえば、65歳から70歳までの平均年収が400万円(ボーナスなし、平均標準報酬額33万3000円)の場合、加入月数は60月で、増額される金額は年間10万9510円です。 ●iDeCoに加入する iDeCoは、掛金を自分で選んだ金融商品で運用し、60歳以降に年金または一時金として受け取る私的年金制度です。掛金は全額所得控除の対象となるため、毎年の所得税や住民税が軽減されます。また、運用期間中の運用益は課税されません。 受取時は、一時金形式なら退職所得控除、年金形式なら年金所得控除が適用される税制優遇が受けられます。ただし、企業型DCでマッチング拠出をしている会社員は、iDeCoとの併用はできません。 ●国民年金に任意加入する 国民年金の加入期間は20~60歳ですが、その間に加入していない期間がある場合、任意加入を検討しましょう。任意加入とは、60歳以上65歳未満の5年間に国民年金保険料を支払うことで、65歳以降に受け取る年金額を増やせる制度です。 加入期間が合計40年になれば、年金を満額受給できます。ただし、60歳以降も働くなど、厚生年金に加入している人は、任意加入できない点に注意してください。 ●付加年金に加入する 付加年金は、国民年金加入者を対象とした、年金の上乗せ制度です。付加年金に加入すると、老齢基礎年金が「200円×付加保険料納付月」の金額分、加算されます。付加保険料は1か月あたり400円であるため、2年間で元が取れる計算です。 お得な制度なので、国民年金に加入している人は加入を検討してみてください。