松任谷由実

松任谷由実がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「Yuming Chord（ユーミンコード）」（毎週金曜11:00～11:30）。12月15日（金）の放送は「Wish for peace」をテーマに、あらためて音楽や歌って「祈り」なんだな……と思える2曲をオンエア。 ここでは、松任谷由実50周年のファイナルを飾るコラボベストアルバム『ユーミン乾杯!! ～松任谷由実50周年記念コラボベストアルバム～』収録曲のなかから、Nina Kraviz, Yumi Matsutoya「春よ、来い（Nina Kraviz Remix）」について語りました。

ユーミン：今回のアルバム『ユーミン乾杯!! ～松任谷由実50周年記念コラボベストアルバム～』の制作は、ちょうどコロナパンデミックが始まったあたりからでした。 私自身がシンパシーを感じていたり、信頼していたりするミュージシャンに声をかけて、プロジェクトが始まりました。いま思うとね、すべて必然だったなと思います。 振り返ってみると、価値観とか生活様式が大きく変わっていく節目の日々で、世界中、あちこちで争いが起きて、それは今なお、終わりが見えない……。 そんな状況の中で、音楽を介して仲間たちと交流することで、私自身も前向きになれたし、音楽への愛がつまった楽曲を聴いてもらうことで、世の中が少しでも明るく、良くなっていくきっかけになれたらな、という気持ちになりました。 そんなわけで、この番組でも、参加してくれたミュージシャンたちへの感謝の気持ちを込めて、出し惜しみすることなく、収録曲をフルでオンエアしてきたわけですが、本日もこの番組「Yuming Chord」としては初オンエアとなる2曲をお送りしたいと思います。 まずは、今回のアルバム『ユーミン乾杯!!』の中でも、とりわけ異彩を放つ1曲、「春よ、来い（Nina Kraviz Remix）」（Nina Kraviz, Yumi Matsutoya）です。 Nina Kraviz（ニーナ・クラヴィッツ）は、ロシア・イルクーツクの出身で、世界的なテクノ・クイーン。“5本の指に入るDJ”と言われています。 2018年に、プライベートでベルリンを旅したんです。テクノの本場ですから、そのときに狙って行った大きなクラブで、ハードテクノを体感して。そのときに、プロのクラバーと、いろいろ知り合ったのですが、それがニーナの存在を知った始まりです。 その後、ニーナがDJギグのために来日したタイミングで、私のツアー「50th Anniversary 松任谷由実コンサートツアー The Journey」に来てくれたり、私もニーナのDJギグに足を運んだりして、意気投合しました。 ちょうどコラボアルバム制作中だったので、参加をオファーしてみたら、引き受けてくれたということで、本当にうれしかったです。 「春よ、来い」は、私が提案したんです。やはり、ロシア人というアイデンティティを活かしてほしいなと。私も、日本人としてのアイデンティティをぶつけてみたいな、理解してほしいなと思って。 結果、私は、今まで体験したことのないような、遠い遠い、切ない宇宙の子守唄のようなものを感じました。 このリミックスは、「聴く」というより、体感する、没入するための1曲かもしれません。 いろいろな言葉でしばりをつけると、聴く人も先入観を持ってしまうけれど……本当に没入して、アブストラクト（抽象）の絵画を楽しむように漂ってほしいと思います。 ーーここで、Nina Kraviz, Yumi Matsutoya「春よ、来い（Nina Kraviz Remix）」をオンエア。 これもね、泣きそうになるんですよ。浮かぶ映像があるんだけど、それは言わないでおきますね。抽象画のような世界なので、多分、リスナーのみなさんも新体験をした人が多いんじゃないかな。 「こんなもの聴いたことない！」っていう人が、近くのドアを開けて新しい世界に入っていってくれることを期待します。 番組では他にも、乃木坂46 cheers 松任谷由実（produced by 小室哲哉）「守ってあげたい」について語る場面もありました。 12月20日（水）にリリースされた『ユーミン乾杯!! ～松任谷由実50周年記念コラボベストアルバム～』。特典映像「“ユーミン返杯”参加アーティストへ～ユーミンからのメッセージ～」のダイジェスト映像も公開中です。 （TOKYO FM「Yuming Chord」12月15日（金）放送より）