中国地方で“かなり遅い”「梅雨入り」…その条件は?最も遅かった時は何日? まつわる疑問に迫る
中国地方の梅雨入りがかなり遅れている。山陰地方(島根県、鳥取県)の平年日は6月6日ごろだが、今年は19日時点で出ていない。そもそも「梅雨入り」「梅雨明け」の定義は何か。誰がどのように判断して発表するのか。梅雨にまつわる疑問に迫った。 【梅雨入り遅れ影響】尾原、三瓶、波積 島根県内ダムで渇水調整相次ぐ
「梅雨」について、気象庁は「晩春から夏にかけて雨や曇りの日が多く現れる現象やその期間」と定義する。 中国地方の梅雨入りは広島地方気象台から発表される。春の穏やかな天候から、毎日のように雨や曇りが続き、大雨の可能性が高まる時期として、注意を呼びかけるためだ。 島根県内の平年の降水量は、7月が年間を通して最も多い。雨が断続的に降ると地中にたまり、そこに大雨が襲来すると土砂災害のリスクが高まる。実際、人的被害が出た過去の気象災害の発生は7月に集中している。 ▼梅雨入りの条件 「梅雨入り」と気象庁が判断する条件は何か。 松江地方気象台の担当者によると、1週間程度の天気予報を見て、おおむね曇りや雨の天気が続く場合に「梅雨入りしたとみられる」と発表する。「曇りや雨が何%以上」といった明確な基準はない。梅雨明けも同様で、晴れる日が1週間程度続くと「梅雨明けしたとみられる」と発表する。
発表を「みられる」とぼかし、断言しないのは、季節の移りゆく時期を梅雨入りとしているためだ。 気象庁は毎年9月上旬に夏の天候を分析し、その年の梅雨入り、梅雨明けの日程の確定値を公表する。より適当な日付があればここで修正する。 例えば2022年、中国地方は6月28日に梅雨明けしたと発表した。速報値で梅雨の期間が観測史上最短とみられていたが、9月に入り、実際は7月26日だったと修正。多くの地方で観測史上最速とされていたが、記録ではなくなった。 ▼今年の梅雨入りどのくらい遅い? 中国地方は19日現在でまだ梅雨入りの発表がない。早い遅いを判断する指標が平年値だ。 現在の数値は1991年~2020年の30年分の観測値から導き出している。梅雨入り時期の場合、30年分のデータを並べると「早い」となる1~10番目は5月21日~6月2日、「平年並み」となる11~20番目は6月3~8日、「遅い」となる21~30番目は6月8~26日となっている。