ハリス氏、最低賃金巡る質問はぐらかしたトランプ氏を批判
(ブルームバーグ): ハリス米副大統領は21日、最低賃金の引き上げを支持するかどうかという質問をはぐらかしたトランプ前大統領を批判した。米大統領選で共和党候補のトランプ氏は前日にマクドナルドの店舗を訪れていた。
激戦州のミシガン州を遊説したハリス氏は「私は最低賃金を引き上げるべきだと強く信じる。職場がマクドナルドであろうと他の場所であろうと、懸命に働く米国人には、少なくとも家族を養うだけの力がなければならないと考える」と述べた。
前日に遊説先のペンシルベニア州にあるマクドナルドの店舗を訪問したトランプ氏は、エプロンを着用してフライドポテトのコーナーで働き人々に商品を渡す姿を写真撮影する異例の機会を設けた。このイベントで最低賃金の引き上げについて質問されたトランプ氏は「これらの人々は一生懸命働いていると思う。彼らは素晴らしい」と述べただけだった。
トランプ氏のマクドナルド訪問は、若い頃に同チェーンで働いていたというハリス氏の主張について、証拠なしに信用しない試みの一環だった。
ハリス氏は21日に記者団に対し、自身がマクドナルドで働いていたと再び述べた上で、トランプ氏が労働者の賃上げに反対の立場だとし、これが「自身とトランプ氏との間で大きな違いがある」多くの問題の一つだと指摘した。
「誰もが知っているように、現在の連邦最低賃金は時給7.25ドル(約1093円)だ。つまり、フルタイムで週5日働いても、年収は1万5000ドルにしかならない。これは実質的に貧困レベルの賃金だ」と述べた。
ハリス氏は21日、トランプ氏を公然と批判する共和党元下院議員リズ・チェイニー氏と共に、主要な激戦州で「ブルーウォール・ステート」と呼ばれるミシガン、ペンシルベニア、ウィスコンシンの3州訪問に乗り出している。これは投票日まで約2週間となる中、世論調査で接戦となっている激戦州で不満を抱く共和党系労働者の支持を獲得するための取り組みの一環。