付くなら「聞き分けのいい人」より「面倒くさい人」！キャリア20年の芸能マネージャーが考える、自分の育て方・若い才能の伸ばし方
みなさんは「芸能マネージャー」という仕事をご存じでしょうか? 芸能人がよく「うちのマネージャーが」なんて話をするので、その存在はよく知られていると思います。一方、具体的な仕事内容はあまり知られておらず、芸能人に付き添って身の回りの世話をする人、といったイメージが強いのではないかと思います。しかし、実際はマネージャーの仕事は実に多岐にわたり、とても奥深い仕事なんです。 先日、中村倫也さんや杉野遥亮さん、朝ドラで主演中の趣里さんらが所属する芸能事務所「トップコート」の芸能マネージャーが、この職業を目指すまでの紆余曲折や、実際仕事に就いて感じること、アーティストとの関わりについて赤裸々に綴った本『芸能マネージャーが自分の半生をつぶやいてみたら』（ワニブックス）が出版されました。 今回はこの本に登場する、松坂桃李さんや菅田将暉さんの担当でもある「チーフマネージャーNさん」に、アーティストとの関わりについてお話を伺います。才能ある若手をどう育てたらいいか悩む、ミドル世代へのヒントも! トップコート チーフマネージャー Nさん（40代・女性） 大学卒業後、芸能プロダクションの求人に応募し仮採用されるも半年の試用期間中に仕事が取れずそのまま不採用に。悔しさをバネに2社目で本採用にこぎつけ、マネージャーとして3年間経験を積む。2社目を退社後トップコートに入社。同社で約20年にわたりマネージャーを務めている。
マネージャーが満場一致で「いい」と感じる子から羽ばたく
――たくさんのアーティストと接する機会があると思いますが、直感的に「この人売れるな」と感じることはあるのでしょうか? Nさん（以下、N）:「売れるかどうか」まではわかりませんが、「この子はいい線いくんじゃないかな?」っていうのは、マネージャーたちが満場一致で感じていることが多くて。そういった子は、その後の歩みも比較的スムーズですね。 ――満場一致でいい!と言われる人は、例えばすごく見た目がいいとかですか……? N:そうではないんです。見た目だけでなく、マネージャーの感覚的なものもあって。所属の俳優・アーティストに限っていえば、うちの事務所っぽい、というのも基準としてあると思います。 ――「トップコートっぽい」っていうのはどういう感じなんでしょう? N:社長が「品性」「ポップさ」「清潔感」を大事にしているんですが、そこにフィットする感じの子かどうか。あとは、ご家庭できちんとしつけを受けてきたことが滲み出る瞬間ってあるじゃないですか。礼儀作法がちゃんとしていたり。そういう子の方が、弊社にはうまく馴染む気がします。親御さんの職業は違っても、雰囲気は割とみんな似ているような気がしますね。
