【水上恒司さん】大ヒット上映中『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』に込めた思い、撮影裏話|CLASSY.
実際の特攻隊員に似た環境で、よい信頼関係を築けた
―― 共演者との印象的だったエピソードを教えてください。 福原(遥)さんとは、クランクインする前からいろいろなお話をさせていただきました。例えば「ここのシーンで彰はこう思っているはずなんだけど、百合はどう?」とか。作品をよりよいものにする同志として、細かいところまでお互いの考えを共有できたのがよかったです。 ―― 「おなかペコペコ隊」と呼ばれた特攻隊員の方々とは、どんな交流がありましたか? 作中に野球をするシーンがあって、撮影の合間にキャッチボールをしたり、僕がノックを打ってみなさんが取る、という練習をしたりしました。今回の撮影期間が約1カ月だったんですけど、実際の特攻隊員の方たちも、短い期間の中で日本全国から集められた人と行動するわけじゃないですか。当時と同じような環境で「お前がいるから俺も行く」というような信頼を築けたのはよかったですし、短い時間でグッとよい空気感を作れたなと思います。 ―― よい空気感を作るにあたって、何か意識されていたことは? 今回に至っては、あえて一歩引いていました。というのも、彰はほかの特攻隊員の方たちとちょっとベクトルが違うところがあって。本来は主演として、みなさんとコミュニケーションを取ってやっていくのがベストだと思うんですけど、この作品に関してはほかの「おなかペコペコ隊」の4人にチーム形成を任せて、その完成された空気感のなかに僕が入っていくような形にしました。
無性に食べたくなるのは「大豆食品」
―― 軍指定食堂をはじめとして、食事シーンが多く見られた今作。水上さんにとっての幸せの味は何ですか? 海外に行けば行くほど、大豆食品が恋しくなりますね。味噌、醤油、納豆とか。普段たくさん食べているかと聞かれたらそれほどではないんですけど、冷蔵庫に必ず醤油と味噌はストックしていますし、海外で無性に味噌汁と納豆を食べたくなるのは、やっぱり日本人だなと思います(笑)。 PROFILE 水上恒司 1999年5月12日生まれ、福岡県出身。ドラマ『中学聖日記』(18年)で俳優デビュー。近年の主な出演作は映画『死刑にいたる病』(22年)、ドラマ『真夏のシンデレラ』、映画『OUT』(ともに23年)など。放送中のNHK連続テレビ小説『ブギウギ』に村山愛助役で出演。24年2月2日には映画『熱のあとに』の公開を控える。 映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』 12月8日(金)より全国公開中 目が覚めると、そこは1945年の日本。初めて愛した人は、特攻隊員でしたー。 親や学校、すべてにイライラして不満ばかりの高校生の百合(福原遥)。ある日、進路をめぐって母親の幸恵(中嶋朋子)と喧嘩をして家出をし、近所の防空壕跡に逃げ込むが、朝目が覚めるとそこは1945年の6月…戦時中の日本だった。 偶然通りかかった彰(水上恒司)に助けられ、軍の指定食堂に連れていかれる百合。そこで女将のツル(松坂慶子)や勤労学生の千代(出口夏希)、彰と同じ隊の石丸(伊藤健太郎)、板倉(嶋﨑斗亜)、寺岡(上川周作)、加藤(小野塚勇人)たちと出会い、日々を過ごす中で、彰に何度も助けられ、その誠実さや優しさにどんどん惹かれていく百合。だが彰は特攻隊員で、程なく命がけで戦地に飛ぶ運命だったー。(松竹配給/©2023「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」製作委員会) 撮影/木村 敦 ヘアメーク/Kohey スタイリング/カワサキタカフミ 取材・文/所 優里 編集/平賀鈴菜(CLASSY.ONLINE編集室)