駿府城夏まつりに向けて準備を進める学生＝静岡市駿河区

　「静岡の未来を自分たちの手で」。そんな思いを胸に、17～18日に開催される「駿府城夏まつり」に初めて、学生の実行委員が加わった。「若者とつくる静岡の未来」をテーマに、県内出身、県内在住の学生が企業と一緒に企画を考案。県外への若者流出が課題となる中、静岡の伝統や企業の魅力発信に挑戦する。 　夏まつりに協力しているTOKAIグループとタッグを組む学生は、静岡の伝統芸能に焦点を当てた企画に臨む。リーダーを務める静岡大2年の林叶乃さん（19）は「伝統芸能は若者の担い手が足りない」と話す。伝統芸能の魅力を伝えるため、木遣り（きやり）やお囃子（はやし）、地踊りの計9団体のステージ発表を軸に企画を構成。メンバーは伝統芸能の練習にも参加した。 　林さんは「最初は恥ずかしくて声が出なかったが、みんなで声を合わせるうちに一体感が生まれ、いつの間にか夢中になっていた」と振り返った。「堅いイメージだった伝統芸能が、実はみんな心から楽しんで取り組んでいた。それが伝われば」 　芸能文化と若者をつなぐ架け橋として、よさこいサークルの演舞やキッズダンス、「パンパカパンツ音頭」などの盆踊りも企画。「たくさんの人が伝統芸能の魅力に感動し、一緒に踊ることで笑顔になってほしい」と期待を込める。 　県内企業の魅力を伝えるNTT西日本静岡支店のチームは、AIカメラを活用した企画を展開。同社が開発したAIカメラが高速移動や遠距離の撮影に強い点を生かし、スケートボードやBMXなどのアーバンスポーツの動きを分析する。 　リーダーを務める静岡大3年の真田優和さん（20）は「自分は県外出身者だからこそ、県内企業の魅力を新鮮に感じている。企業の先端技術と若者に人気のスポーツを融合させ、みんなが楽しめる場をつくりたい」と意気込んだ。 ■音楽やお笑いステージ、出店盛りだくさん 　多彩な出店やステージイベントで夏を満喫する「駿府城夏まつり」（同実行委員会主催）が17、18両日の午後2～8時、静岡市葵区の駿府城公園で開かれる。 　「ミュージックステージ　響」のライブには両日で計13組のアーティストらが出演。17日はDXTEENやRIKUがステージに上がる。観客参加型のダンスワークショップショーも開催され、EXILEのTETSUYAとDream　Amiが出演する。18日はOWVやOCTPATHが登場する。 　「エンタメステージ　集」では、17日に静岡市清水区出身のお笑い芸人ハリウッドザコシショウをはじめ、もう中学生、パンサー尾形貴弘が出演するほか、両日ともSBSラジオの公開放送を行う。観覧無料。 　会場には飲食など約70の出店が並び、縁日エリアでは射的や輪投げが楽しめる。おはやしなど静岡市内の伝統芸能を披露するステージやお化け屋敷のほか、400個以上の風鈴が並ぶ回廊や千個以上のランタンが飾られたエリアもお目見えする。