「ウソだろ」な連続ドラマ『新空港占拠』プロデューサーを直撃! 視聴者の「考察」を意識してストーリーを変えることはある?
――前作では細心の注意を払って、出入り業者の方を含め、主要な関係者以外の方々にまで鬼の面の正体を隠したことが話題になりました。今回もそれは同じですか? 尾上 もちろんそうです。そこは前とまったく一緒で、キャストが出入りする部屋の、普段なら開放されているドアには幕を張りましたし、お面を付けているキャストが撮影場所を移動する際は、基本、顔を明かしていない方はマスクとか、場合によってはサングラスもして移動していただきました。 ――徹底したんですね。占拠シリーズで最もキャラが立っている駿河紗季(宮本茉由)は、『大病院占拠』の前半の段階では警察側にいる情報分析官のひとりで、一度は犯人側とつながっているという疑惑を持たれたものの、結局そこは追及されず、匂わせたまま物語は終了。今作の『新空港占拠』の第1話で、実は以前からつながっていたことが正式に明かされます。これは『大病院占拠』のスタート時点からそういう設定だったんでしょうか? 尾上 いや、最初からではないですね。『大病院占拠』の中盤から後半にかけてそうなった感じです。物語の最後に向けて、視聴者にさらにドキドキハラハラしてもらうためにどうすればいいかと考えたときに、彼女に裏を持たせることが一番面白いと考えました。 ■キャラの「裏切り」を出演者は知っているのか? ――ドラマづくりにもいろんな方法があるとは思うんですけど、当初は予定していなかった結末になる、という方法はよく用いられるのでしょうか? 尾上 どうなんでしょう。まず、占拠シリーズに関しては原作があるわけではなく、オリジナルのドラマであるということ。僕が企画した、僕がつくりたかった話をつくれるっていうところからスタートしているので、臨機応変に変えた部分はあると思います。もちろん大枠は決めた中で、細部は臨機応変に、という意味ですね。だから珍しいかもしれません。 ――やはりSNSを含め視聴者からの反響を見た上で、キャラの立ち位置を変えていく感じですかね? 尾上 いや、そこは反響とかを意識せず、逆に(SNSの)情報を遮断するようなスタンスでいます。どうしたら一番面白いのかっていう意見を会議などで出し合ってつくった感じですね。だから、この先どうなるかをキャストにも直前まで伝えないスタイルでやっています。せっかくオリジナルで僕らが決められるスタンスでいるので、面白いと思ったことをその場その場で臨機応変に変えていこうっていうスタンスですね。 ――ということは、逆に裏切る前提の役柄として、最初から方向性や結果だけは伝えてあるキャストもいるのでしょうか? 尾上 います(キッパリ)。そういう人もいます。全話の中で、ここで一番視聴者をドキドキさせたいっていうプランニングはするので、その段階で伝える方もいますね。 ――その場合、他のキャストさんはそのことを知らない? 尾上 (台本を読むまでは)知らないです。