地方自治体で婚活支援に本腰 長野県が専従職員で「センター」立ち上げ
茨城県の取り組みが全国での先駆け
ほかでは愛媛、茨城、秋田などの県も婚活支援などに積極的(同センター)。愛媛県では30代後半の35~39歳の男性の未婚率は1970年に3.7%に過ぎなかったのが2005年には3割近い28.5%に激増。同じく女性も5.2%から18.7%へ増えており、県内各所でのお見合い事業や過疎・離島地域での婚活に取り組んでいるとしています。 内閣府によると茨城県では2001(平成13)年から全国に先駆けて婚活支援に取り組み、パートナー探しや出会いのためのパーティー開催、婚活支援ボランティアの活動などを展開。これまでに1200組近い成婚の実績を上げています。その背景として低額な入会金、広域的な取り組み、市町村との連携などがあると指摘しています。 ただ、未婚率の増加の背景は複雑で、対策も多様な対応が迫られます。内閣府が2014年度に20~39歳の未婚・既婚の男女7000人を対象に行った「結婚・家族形成に関する意識調査」によると、「恋人がほしい」は全体で60%。結婚していない理由として「適当な相手にめぐり会わないから」が男女とも50%以上を占めており、出会いの機会が少ないことを示しています。 一方で未婚者などが「恋人が欲しいと思わない理由」として挙げたのは「恋愛が面倒」(全体46%。男女差ほぼなし)、「趣味に力を入れたい」(45%。同)など恋愛へのさめた見方や独自の人生観もうかがえます。 結婚生活への不安要素として「経済的に十分な生活ができるかどうか」と経済の不安を挙げたのは男性の57%、女性の55%を占め、最近の雇用情勢など若者を取り巻く環境を反映している可能性も示しています。 こうしたことから各自治体は、出会いの機会の設定に取り組む一方、未婚の若者たちの経済環境の分析や、雇用の実情、生活スタイルの分析などを進めながら、総合的な対策を進めることも迫られています。
----------------------------------- ■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説