「子どもの声うるさい」苦情きっかけ公園廃止 荻原健司市長が一時「再検討」表明も結果は…地元住民が“蚊帳の外”決定は知らされず 有識者「住民との合意形成のプロセスに問題」
子どもの声がうるさいと一部住民の苦情をきっかけに廃止された長野市の青木島遊園地。廃止決定まで多くの地元住民に知らされないまま手続きが進んだことなどに疑問の声が上がりました。市の進め方について有識者を交えた検証が始まりました。
■市の対応が住民の不信招く
長野市青木島町の一画。更地となっています。3年ほど前までは元気な子どもの声が響いていました。 かつて、ここにあったのは「青木島遊園地」。 「子どもの声がうるさい」との一部住民の苦情をきっかけに最終的には廃止されました。 しかし、廃止に至る過程で、市の対応が住民の不信を招きました。
■廃止決定は住民に知らされず…
廃止をめぐる経過です。公園は2004年に設置されましたが、すぐに一部住民から「うるさい」と苦情が寄せられます。 市も対策を施しましたが、2021年、利用していた隣の児童センターに住民が直接、静かにするよう要請。 児童センターは利用を中止しました。 その後、地区の区長会は利用が減ったことを受けて「廃止やむなし」とし、市が一度廃止の方針を決めました。 この、最初の廃止の決定は多くの地元住民に知らされていない状況でした。 その後、一部報道もあって地元で廃止を疑問視する声があがります。
公園は借地で、既に地権者が後利用を決めており2023年3月、市長が再び「廃止」を表明しました。 地権者の計画を把握していた市の担当者が、市長に説明していれば「再検討の表明」はなかったのではという疑問の声が上がりました。 当時、市長もー。 長野市・荻原健司市長: 「重要な決定に当たり、住民の皆さまの意見の聴取、お知らせの仕方にも課題が残った。反省すべきところは反省して今後に生かしたい」
■住民との合意形成のプロセスに問題
市は廃止に至る過程の検証を進めていて3月14日、住民との合意形成やコンプライアンスに詳しい有識者を招きました。 外部委員・石津廣司弁護士: 「なかなか難しい問題だろうと。市民の声、行政の対応、どうだったのか…」 委員会は冒頭を除き非公開でしたが、有識者からも住民との合意形成のプロセスに問題があったなどの意見が出されたということです。 次回以降、具体的な問題点を整理します。2024年の夏をめどに報告書をまとめる方針です。