ビットコインのマイニング難易度、初の100テラ超え──小規模マイナーへの圧力強まる
ビットコイン(BTC)のマイニング難易度は4日に過去最高となる101.64テラ(兆)に達し、小規模マイナーへの圧力が強まっている。小規模マイナーは、上場している競合他社ほど潤沢な資金を持っていないため、装置の稼働を維持するのが困難になる可能性がある。 マイニング難易度は、ビットコインブロックチェーン上で新しいブロックを発見することの難しさを測る指標だ。ビットコインネットワークは2016ブロックごと、つまり約2週間ごとに自動的に難易度の調整を行う。今年、難易度は23回調整されている。そのうち約60%がプラス調整で、プロセスがより難しくなった。難易度が高くなるほど、ブロックの生成に対するマイニング業界の負担が大きくなる。 マイニングは極めて競争が激しく資本集約的な産業であるため、上場している競合他社と比べて資金調達の機会が限られる傾向がある小規模企業または非公開企業は、事業運営資金を調達するために生み出したビットコインを売却する必要に迫られる可能性がある。
ハッシュレートが過去最高を記録
ビットコインのハッシュレートは先週、7日間移動平均で過去最高となる755EH/sに達した。ハッシュレートとは、コンセンサスアルゴリズムがPoW(プルーフ・オブ・ワーク)のブロックチェーン上でマイニングとトランザクション(取引)処理に必要な計算能力のこと。グラスノード(Glassnode)のデータによると、10月末にはハッシュレートが1日で約12%急増し、今年最大級の上昇幅となった。 マイナーは平均して、マイニングされた総供給量の100%を支出している。10月には、8月と9月の大規模な枯渇の後、マイナーが一時的にビットコインの一部を保持し、財務準備金に追加する期間があった。 現在のエポックでは、マイナーは1日平均450BTCをマイニングしている。全量が売却された場合、約3150万ドル(約47億2500万円、1ドル=150円換算)の売り圧力となる。 全体として、これはマイナーが現在比較的健全な状態にあることを示している。マイニングされた供給量に対する支出が少ないほど、売り圧力も少なくなる。 |翻訳・編集:林理南|画像:Glassnode|原文:Bitcoin Mining Difficulty Tops 100T for First Time, Piling Pressure on Small Miners
CoinDesk Japan 編集部