最高級の限定生産車 某メーカー向けに「超大型SUV」開発中 英でコーチビルダー設立
自動車に「芸術」を
英国で高級車製造を目指す新しいコーチビルダー、オールズリー(Allesley)が新たに設立された。イングランド中部のコベントリー近郊を拠点とし、21世紀における「芸術の復活」を目標に掲げている。 【写真】現代の「馬車」? 特注生産のコーチビルド車【ロールス・ロイス、ベントレーの限定生産車を写真で見る】 (63枚) 近年、複数の高級車メーカーが超限定生産のコーチビルド(オーダーメイド)車に力を入れている。例えば、ロールス・ロイスはボートテイルやドロップテイルを、ベントレーはバカラルとバトゥールを製作した。 オールズリーは、アストン マーティンやベントレー、ロータス、JLR、マクラーレンなど、名だたるメーカーを顧客とするHPLプロトタイプから独立する形で設立された。社名はHPLの本拠地である村にちなんで名づけられた。 オールズリーのポール・アバクロンビーCEOによれば、車両はすべてオークション会社であるボナムズの定義する「特別なコーチビルド」に沿って製作されるという。 顧客から提供されたシャシーを使用し、完全独立で車両の設計・生産を行う。ボディは単体では販売されず、さらに生産台数は非常に限られたものとなる。
超高級SUVを開発中
アバクロンビー氏は本誌の取材で、「今のところ、英国には(信頼できる独立系)コーチビルダーがいません」と語った。 「コーチビルドが得意で、独自のプログラムを持っているOEMはありますが、独立系コーチビルダーとしては他にありません」 「当社は、特定のグレードのクルマのみを対象とします。例えば、お客様がマツダ車を持ち込んで、マツダには何の問題もありませんが、『コーチビルドのボディを付けてくれないか?』と言われたとしても、わたし達が応じることはできません」 オールズリーはすでに最初の車両開発に取り組んでおり、その正体は明かされていないが、「超大型、超高級なSUV」だという。パワートレインは、現在の高級車市場における主流に従い、内燃エンジンを搭載する予定だ。 しかし、EVの普及率が高まっていることから、電動車開発にも前向きだ。アバクロンビー氏は、多くの市販EVでスケートボード型プラットフォームを採用していることから、より「抜本的」な設計変更が可能だと言う。 「EVのスケートボード型プラットフォームは、プロセスが非常に簡単なため、当社がこのプロジェクトに着手した理由の1つとなりました」 「スケートボードがあるからこそ、お客様に先鋭的なデザインをお見せすることができます。しかし、もちろん、それはドナーカーに依存します。これは非常にお客様主導のビジネスです」