大規模火災から5カ月。PGAツアー開幕戦のコースにほど近い街、「ラハイナ」の今
開催コースは2カ月間のクローズで例年以上に良いコンディションに
そんな中で、迎えることになった「ザ・セントリー」。開催に向けての準備も始めていった。 「火災後、プランテーションコースは、もう一つのベイコースとともにまず1カ月間閉めました。その後、まずベイコースをオープンし、その1カ月後に今度はプランテーションコースを開けて、ベイコースをクローズに。なので、結果的にプランテーションコースは、2カ月間プレーヤーを入れない状態で、エアレーションを含めじっくりと整備できました。トーナメントを開催するための商品(コース)はいつも以上にコンディションがいい。ただPGAツアーは開催に関して、“ハワイ州がWelcomeなら……”というスタンスだったのでやきもきしましたが、こうして開催できて胸をなでおろしています」 例年「ザ・セントリー」は、1週間で約2万人のギャラリーを見込んでいるが、今年はおおよそ6割の規模感を想定した。
「マウイ島全体が火事で大変な状況なのでは、という心理的なバイアスもある。ラハイナのレストランも60件なくなってしまったり、仮設トイレも資材を運ぶトラックも、復興作業優先で十分ではありません。そういう中でやり繰りしながらですが、必要かつ十分な用意はできました」 一部には、大会を開催することに反対する地域住民の声もあるようだが、参加する選手たちの“ラハイナのために”という高い意識が、今大会を開催することの意義を深めることになった。
「プロショップでも販売しましたが、リッキー(ファウラー)は、ラハイナの“L”をデザインしたキャップを企画し、その売り上げを寄付したり、フィナウは、練習日にベイコースでの家族らとのラウンドの様子をライブ配信して、そこでチャリティもしてくれた。ザンダー(シャウフェレ)もジュニアクリニックを開催したり、モリカワも積極的です。PGAツアー側が寄付ということではなくて、内部で話してくれて各選手が自ら動いてくれている、そういう雰囲気をツアー側も盛り上げているという感じです」 ラハイナによって経済が回っているという西マウイ。普段通りの生活を取り戻すには5年近くを要するのでは、という見立てもあるが、徐々に、しかし確実に街は復興へと向かっている。今回、テレビなどを通じてマウイ島でのゴルフイベントがしっかりと映し出されることで、大きなプラスになることを、住民そして選手たちも期待している。 PHOTO/Blue Sky Photos
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