フジテレビを「出禁」にしたNPBへの違和感、ファンの気持ちは置き去りか
確かにプロ野球は「公共財」であり、日本スポーツの健全な育成、振興に寄与するものではあるが、同時に試合興行は「営利目的」であり、ビジネスだ。 メディアがより多くの「視聴率」を求めて番組を編成するのは当然のことではないのか? 「いや違うんだ、日本プロ野球は主要なテレビメディアが球団やスポンサーさんと共に一致協力して盛り上げてきたんだ」 と言われても、一般のファンからすれば関西弁でいう「知らんがな」ということにならないか? ■ フジの中継、野球ファンにはメリットしかないのだが このニュースが出るとSNSなどでは「大谷翔平、ドジャースからも出禁になり、今度はNPBか。フジテレビは何をやっているんだ」という声が上がった。 またメディアやライターからも、 「大事な日本シリーズの最中に、ライバルの番組を放送するなんてもってのほかだ。大谷の事件といい、最近のフジは焼きが回った」という声が上がった。 端的に言って、この手のメディア、ライターはいったいどこを向いて仕事をしているのかと思う。 そもそも大谷翔平、ドジャース側がフジテレビや日本テレビを出禁にしようとしたのは、「プライバシー侵害」の恐れがあったからだ。実害がある可能性があったから、両メディアを一時的に排除したのだ。 しかし、NPBの問題は、編集権を有するメディアが他のコンテンツを購入しただけであり、「業界の商習慣に反した」という以外に瑕疵はない。 視聴者から見れば、NPBとMLBの2つの「頂上決戦」を、地上波で同じ時間に視聴できるのは、メリットでしかない。 ジャーナリストの松谷創一郎氏はXで、 「この姿勢は、まさに旧ジャニーズ事務所が見せていた強圧的な態度と大差ないものではないか。とくに、放映権を取り上げることで番組編成に影響を及ぼそうとする行為は、それが事実であるならば、明確な取引上の優越的地位の濫用に該当する可能性がある。この構図は、記憶に新しい旧ジャニーズ問題と酷似している。当時、取引先のジャニーズ事務所の圧力に各テレビ局が過度に配慮することで、その陰で進行していた深刻な性加害の問題を適切に報道・検証できない状況が続いていた」 とし 「フジテレビもこうした取引先に対して断固たる姿勢を示すべきであろう」 と言っている。