首位浮上の松山英樹 パッティング部門1位総なめも「“入っちゃった”が多い」
◇米国男子プレーオフ第1戦◇フェデックスセントジュード選手権 2日目(16日)◇TPCサウスウィンド(テネシー州)◇7243yd(パー70) 【画像】パリ五輪メダリスト3ショット 最後のバーディはこの日のベストショットでもぎ取った。後半16番(パー5)、松山英樹の1Wショットは右に曲がった。木に当たってフェアウェイに戻ってきたとはいえ、普段はアイアンでも2オンを狙えるホールで3Wを持たされた。残り283ydから強振した2打目は高々と舞い上がり、ピン奥5mのエッジへ。パターで寄せて易々とスコアを伸ばした。
「パリ五輪」で銅メダルを獲得した次の試合。英国での窃盗被害によるエースキャディとコーチ不在のトラブルをものともせず、2位で滑り出した初日の勢いは翌日も衰えなかった。前半アウトだけで5バーディ(1ボギー)。9ホールのうち7ホールを1パット、計11パットだった。
6番で8m、9番では6m、後半11番(パー3)では10m以上あるスライスラインを流し込んだ。2日間で「65」、「64」のスコアに対するグリーン上でのプレーの貢献度、ストローク・ゲインド・パッティングは「+5.089」で全体1位。2日間のパーオンホールでの平均パット数「1.48」も、36ホールで沈めたパットの総距離251フィート(約76.5m)もトップに立った。 あらゆる指標でフィールドをリードしても、「入っているというより、『入っちゃった』っていう感じのほうが多いので」というのが本人の感覚と自己評価。むしろ、良い流れを寸断しなかった要所でのプレーを自賛した。
2バーディを奪って迎えた前半4番、6Iでの第1打が池に落ちた。「悪いショットではなかった。風を読み間違えたか…(原因が)いまだに分からない」という悶々とした気持ちを切り替え、ドロップ後のウェッジショットをピン手前80cmにつけてボギーセーブ。後半16番の一撃も、リズムを週末に繋ぐビッグプレーになった。
当地では2020年「WGCフェデックス セントジュード招待」3日目から 12ラウンド続けてオーバーパーを叩いていない。継続中の選手では最長だ。日中の気温は連日40℃近い。体力をむしばむ熱波をも、松山は「暑くてしんどいですけど、そのおかげで腰が持っているような感じ」と捉えている。心配続きの腰痛がわずかでも和らぐ好材料。2月「ジェネシス招待」以来のシーズン2勝目、節目のツアー通算10勝目へ、悪天候予報のムービングデーもポジティブに戦い抜く。(テネシー州メンフィス/桂川洋一)