新入社員へ“手厚い待遇” !背景 には人手不足 ”働き盛り世代”は資金低下【WBS】
新年度が始まった1日、各社では入社式が行われました。こうした中、注目されるのが、今年の新入社員に対しての企業による”手厚い待遇”です。その背景には何があるのでしょうか。 【動画】大谷選手も新入社員にエール 入社式に熱いメッセージ 新年度初日、企業の新入社員たちを迎えたのは・・・イルカやペンギンたち。 プリンスホテルなどを展開する西武グループの入社式です。新入社員およそ600人が、この日入社しました。 例年は都内のホテルなどで入社式を行っていましたが、今年は初めてグループの施設である横浜・八景島シーパラダイスで開催。新入社員は、「イルカたちにも応援してもらって、今度は私たちがこういった感動をつくり出すんだという感動とともに責任感を感じた」と話します。 「コロナ禍で非常に採用に苦労した。新入社員にも少しでも西武グループの明るさを、入社初日に体験してもらったのは良かった」(西武HDの後藤高志会長) 一方、キユーピーが入社式で行ったのは、自社の農場でのレタスの収穫体験です。 「この野菜をより多くの人に食べてもらえる開発や研究ができたら」(キユーピーの新入社員) 参加した新入社員は46人。学生時代はコロナの影響で対面での経験が限られていた世代です。キユーピーの看板商品であるマヨネーズ作りも体験しました。 「この会社に入社したという実感と入社した思い出、それから絆。そういったことを感じてもらうことで、会社に対するエンゲージメントだとかにつながっていけばうれしい」(キユーピー人事本部の相田陽介さん)
初任給も大幅アップ
賃金などの待遇面で新入社員を”優遇”する企業も増えています。 第一生命は、今年入社する新入社員の初任給を、従来に比べて大きくアップ。大卒の転勤を伴う総合職で、金融業界では最高水準の初任給となる「32万1000円」と、一年前に比べ5万円近く引き上げたのです。 新入社員に、今回の大幅な賃上げについて聞いてみると、「すごくうれしかったです。期待を感じるので、緊張感を持って仕事に励みたい」「よく考えるとそれに見合った仕事をしないといけないので身が引き締まる」と返ってきました。 一方、一足先に入社した先輩社員からは、自身が入社した際の初任給と比較し「うらやましい」との声が上がります。 実は今年、第一生命のように初任給を大幅に引き上げた企業が続出。同じく金融業界のみずほ銀行は、去年に比べ5万5000円引き上げたほか、伊藤忠商事も5万円増やしたのです。ある調査では、全国の企業のおよそ7割が、今年度から初任給を引き上げたとしています。 初任給の引き上げの背景にあるのは、人手不足が進む中、人材確保への強い危機感です。 「危機意識はある。採用を出した学生でも他社に行く人もいた。魅力を伝えるためにも賃金のインパクトと人事の施策で勝負したい」(第一生命保険人事部人材開発室の村上誠稔マネジャー)