短期の海外旅行が人気 タイ、ベトナムやハワイも行ける
週末など、2~3日間程度の休暇を利用した海外旅行を楽しむ人が増えている。これまでも、『安近短』(安く近く短くレジャーを楽しむ)の傾向があり、グアム、韓国、台湾などは定番だったが、若い世代を中心に、タイやベトナム、香港といった東南アジアや平均フライト時間7時間で行けるハワイなど、金曜の夜に出発して、月曜日の朝に帰国し、そのまま出社するという“エクストリーム”的に海外旅行をする人が増えている。国際情勢などの影響で、これまでもっとも人気のあった韓国が落ち込む一方で、台湾が人気を集めたり、東南アジアが短期旅行の目的地になっているようだ。 JTB総合研究所『海外旅行実態調査』によると、海外旅行日数で短期間とされる1~4日間の割合は、過去、出国者数の2番目に高かった2000年で22.3%。これに対し、出国率の最も高かった2012年は33.0%と、10.7%も増えている。昨年、2013年の割合でも33.8%と高い水準を保っており、『安近短』の傾向は続いている。また、同じ日数で東南アジアへ旅行した人の割合は、16.2%(2000年)が18.7%(2012年)、東アジアが74.9%(2000年)が80.4%(2012年)と、各渡航先ともに増えている。 また、インターネットの海外旅行サイト『エクスペディア』によると、スマートフォンを使っての週末旅行の予約数は昨年比で約200%増となっている。スマートフォンの利用数が増えていることもあり、“倍増”というわけではないが、ここ数年、安定して短期海外旅行が支持されている。理由はさまざまだが、大型連休時の際には料金が割高だったり、2000年代に登場したハッピーマンデー制度で、3連休が増えたことなどが挙げられるが、近年の傾向としては、オンラインでの海外旅行予約が可能になったことや、LCC(ロー・コスト・キャリア)の登場が大きいと言える。オンライン予約に関しては、スマートフォンの普及でさらに利用数が増加傾向にある。 例えば、前出のエクスペディアのアプリを利用すれば、フライトやホテル予約まで一連の流れで簡単にできるだけでなく、レビューも充実しているので、旅先の選定にもサポートしてくれる。「週末旅行が増えている理由について、AAE Travel※のCEOキャスリーン・タン氏は「個人の旅行者が増えてきている。それにLCCの成長。LCCが安い料金を提供することで、若い世代が旅行できるようになってきた。航空券だけで買う人、パッケージツアーを選ぶ人、ホテルだけ別で予約する人など、さまざまなニーズになってきて、スマホアプリがそういったニーズに応えてきている」とは説明する。 では、週末でどういった旅が楽しめるのか。モデルツアーをみてみよう。 (1)タイ バンコク(平均フライト時間:6時間) 羽田を金曜日の24時05分に出発、バンコクに土曜日の朝5時05分に到着。タリンチャン水上マーケットでショッピングし、ホアヒンのビーチでアジアンリゾートを満喫。夜はチャオプラヤー川近くのナイトスポットでお酒を飲んで、宿泊。日曜日は、早朝4時から開いているオートーコー市場などの朝市や、寺院参りを楽しんだ後、午前9時半ごろに空港着。11時20分バンコク出発便に乗れば、19時ごろに東京に戻って来ることができる。