Stripes & Mennoが優勝!23年越しに開催した伝説のブレイキン・バトルイベント「Red Bull Lords of the Floor」
カルチャーとしてのブレイキンにスポットライトを当てた世界大会
4月6日(日本時間:7日)にアメリカ・シアトルにて、ブレイキンの原点とも言えるレッドブルの伝説的なイベントRed Bull Lords of the Floorが開催された。Red Bull Lords of the Floorは、2000年代のブレイキンシーンを象徴する歴史的な大会であり、現在の30歳~40歳以上の世代にとっては最も影響されたイベントの一つ。VHSでの映像を目にしていた日本人B-Boyも多く存在し、この大会を通じてスタイルや技が拡散されていった歴史もある。現在の若手世代は、Lords of the Floorという名前は知らなかった人が多いものの、過去にこの大会に出場していたB-Boy達が築き上げて来た、各国のシーンで育てられた世代だ。今も尚、昔のB-Boyのスタイルを取り入れるダンサーは多く、五輪予選で注目を浴びるダンススポーツで活躍する選手にも大きな影響を与えている。
パリ五輪で新種目になることをきっかけに、この数年スポーツとしての文脈でブレイキンが取り上げられていることも多いが、本来のブレイキンはHIPHOPカルチャーが由来であり、ストリートダンスの要素が強い。およそ4ヶ月後に迫ったパリ五輪を前に、レッドブルがカルチャーとしてのブレイキンにもう一度スポットライトを当てながら、10代~40代までという幅広い世代のB-Boy・B-Girlたちとブレイキンカルチャーを世界に発信する。 今大会は2on2のトーナメント形式で行われ、招待枠で事前に12組のデュオが決まっており、残りの4枠は前日予選を勝ち上がったデュオが出場権を手にしている。日本からは、日本ブレイキンシーンの先駆者であるTaisuke、日本人B-Girlのアイコンとして活躍するAmi、パリ五輪の日本代表のShigekixなどが本戦に出場し、世界を相手に戦った。
初戦からレジェンド同士が激突する、Lords of the Floorならではの夢の対戦カードが実現
トーナメント表の左の山には、レジェンド勢が多くクレジットしており、通常のバトルでは見られないような夢のカードが1回戦から実現した。シルエットやB-BoyくさいスタイルにこだわるSKILL METHODZ(Flea Rock&Luigi)と、個性的なB-Boyの代表格であるHAVIKORO(Marlon&Palmer)のバトルでは、両極端なスタイルでこれまでシーンを引っ張って来た2組が激突。 また、韓国のブレイキンシーンを代表する2名、Hong10&Physicxのデュオと、アーティスティックなスタイルを武器にするStripes & Mennoのバトルも注目カードの一つ。Hong10とMennoは共にRed Bull BC One(世界最高峰の1on1バトル)を生涯で3回制覇しており、ヤングレジェンド二人のマッチアップにもオーディエンスが大いに盛り上がった。 会場は20年前の大会を見事に再現。観客席からダンサーが踊る真ん中のステージを見下ろすことができ、フロアは当時使っていたものを使用。その雰囲気の中で踊るレジェンドたちのムーブはもちろん、当時はキッズだったヤングレジェンド世代や、現在のトッププレイヤーである若手世代がこのステージで踊り、様々な世代がクロスすることで、今回のLords of the Floorならではの空気感が生み出された。
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