ハリウッドで活躍中! 今をときめく “推したい”アジア系女性たち
長らく欧米社会で望まれるようなステレオタイプなキャラクターを演じることが多かったアジア系俳優。ところがここ数年は、個性的な女性たちがハリウッドで大活躍。あなたの推しは誰?(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2024年12月号掲載) 【写真】ハリウッドで活躍中のアジア系女性6名
アンナ・サワイ|米エミー賞日本人初の主演女優賞
日本人の両親のもとニュージーランドで生まれ、10歳から日本で暮らすアンナ・サワイは、小学6年生でミュージカル『アニー』の主役に。 「歌、ダンス、芝居と鍛練を積んだ精神力の強さをまなざしに感じます。『SHOGUN 将軍』では、明智光秀の娘、細川ガラシャをモデルにした鞠子を熱演。キリシタンで通訳として異邦人と心を通わせていく鞠子の視点から異文化を現代的に読み解くことも。社会の抑圧に女性たちが何を感じ自身の才覚をどのように生かして戦ってきたかの描き方も素晴らしい。『この受賞は全ての女性たちのものです』という授賞式での言葉に胸を打たれました」(映画・音楽のMC/ライター 奥浜レイラ)
ホン・チャウ|難民からオスカーノミネート実力派俳優へ
タイの難民キャンプでベトナム人の両親の間に生まれ、すぐに米国へ移住したホン・チャウ。 「『憐れみの3章』では、ケリー・ライカート監督作『ショーイング・アップ』を見たヨルゴス・ランティモス監督が起用したというだけあり、3章で3役を演じる彼女のキャラ変が最高。他にもウェス・アンダーソンの『アステロイド・シティ』、ダーレン・アロノフスキーの『ザ・ホエール』、ポール・トーマスアンダーソンの『インヒアレント・ヴァイス』、アレクサンダー・ペインの『ダウンサイズ』と、好きな監督の作品のどこにでも、アジア人女性のステレオタイプをぶち壊す圧倒的リアルな存在感でいてくれるところが好きです」(ライター 小川知子)
マヤ・アースキン | 演劇界出身、底知れぬ魅力の2児の母
母は日本人、父はアメリカ人のジャズドラマーだというマヤ。 「素朴な表情に見えて、瞳の奥に油断ならない緊張感を漂わせていますが、ドレスアップするとゴージャスでセクシー。某メディアで『これまで手にしてきた役は、全てアジア系のステレオタイプを反映しただけの端役だった』と語り、映像業界で働くアジア系の女性として、向上心を持って邁進する姿に勇気をもらいます。2005年にブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーが演じた映画のリメイク版『Mr. & Mrs. スミス』のジェーン役は、製作指揮を取るドナルド・グローヴァーの指名。表現力とユーモアのセンスはお墨付きです」(音楽ライター・ラジオホスト 渡辺志保)