「NISA損切り」は避けたい!知っておきたい運用を続けていくための相場格言
5月に入り、新NISA制度も5か月目に入りました。 先月4月の日経平均株価の下落時には「NISA損切り」のキーワードが登場しました。 売るのも買うのも2度に分けて余力と判断力を持つ 資産運用を長年されている方にとっては、今回の下落は過去にも経験されているとともに、慌てることもなかったと思います。 一方で、今年の新NISAから初めて株式投資を開始された方にとっては、初めての試練だったかもしれません。 上がり続ける相場もなければ、下がり続ける相場もありません。 今後も、運用を続けていくために知っておきたい相場格言をご紹介します。 格言1:名人は相場の恐さを知る 投資経験が長ければ長いほど、これまでさまざまな場面に遭遇し、くぐり抜けてきています。 1度の判断ミスで大きな損失が発生することもある、相場の怖さも知っています。 名人になりましょう!と言っているのではなく、長く続けていくためには、魅力だけでなく怖さも知った上で、甘く見ず無理なことはしないということが大切だとわかっています。 うまくいっている時には、今まで以上に欲を出したり、今までの投資手法とは別のことを行ったりします。 その時に落とし穴が待っていることも多いことからこそ、リスク管理が必要です。 格言2:「もう」は「まだ」なり、「まだ」は「もう」なり 上昇相場の時に「もう」これ以上は上昇しないだろうと思う時は「まだ」上昇し続け、 「まだ」上昇し続けるだろうと思う時は、これ以上「もう」上昇することなく下落していく といった、相場は自分の思っているようには動かないことを意味しています。 下落相場の時も同じです。 「もう」これ以上は下落しないだろうと思う時は「まだ」下落し続け、「まだ」下落し続けるだろうと思う時はこれ以上「もう」下落することなく上昇していくかもしれません。 これは、ファンダメンタルズやテクニカルなど何らかの根拠がある場合でも、自分の根拠以外のことで値動きが起きるかもしれません。 ましてや、何の根拠もなく日経平均や株価の動きだけを見て何となく判断してしまい、さらに過信が付け加わるとその後の結果は想像できるでしょう。 相場は自分の思い通りには動かない、その前提で資産運用を行う必要があります。 格言3:頭と尻尾はくれてやれ 最安値で購入して、最高値で売却すること が収益面では最も効率が良いのですが、これはプロの投資家でも難しいところです。 それを狙うことで、下落時に買おうと思っていたが結局できなかった、売る時も同じように売る時期を逃してしまうことになりかねません。 下落の底値から上昇トレンドへの転換が確認できた時点で買う、 高値(天井)から下落トレンドへ転換したことが確認できる時点で売ること もひとつの方法です。 上記2つの格言と組み合わせることで、確実に収益を得ることにつながりやすいです。 魚の頭と尻尾まで食べようと思うのではなく、一番美味しいところの身だけをしっかりと食べましょう。 格言4:二度に買うべし 二度に売るべし 分散投資、この言葉を聞いた方も多いでしょう。 これは投資対象だけでなく、売買のタイミングについても分散させる慎重さが必要だと言っているものです。 買う時には当初の予算額を全部一度に買ってしまうと、自分で分析していたとしても、個別株も含めて予想もしなかった材料により下落することもあります。 最初に予算額の全部を買ってしまうのではなく、まずは打診買いとして様子見で少量を買い、自分の予想通りに手応えがあるのであれば買い足していく考え方です。 売る場合も、全部まとめて売るのではなくまずは一部を売る。 そして、残りを余力として上昇を追いかけます。 そのことで精神的にも余裕が生まれ、思い切った判断にもつながります。 そして、下落トレンドに入った時点で全部を売ることで、確実に利益を得ることになります。 相場に過去はない 「あの時…をしておけば今頃は?」と、人生の中においては後悔することもあるでしょう。 投資でも同じであると言えます。 ましてや投資は数字で表されますので「あの時に買っておけば…」と後悔しやすい性格があるのかもしれません。 しかし、後悔しても過去に戻ることはできません。 その時に良いと思って判断したのですから、過去を振り返ることや反省して今後に活かすことは必要ですが、後悔しても時間は戻りません。 今後の投資に集中することが大切であることを言っています。 自分の思い通りにならないと我慢できない、または売却までの途中での含み損も許容できないという方は、どの銘柄を購入するか(勘定)を考える前に、一度投資との付き合い方(感情)について考える方が優先度は高いでしょう。 今は状況が良くない場合でも、今後も続けていくことでチャンスはやってきます。一発退場にならないように、これらの格言は参考にしたいところです。
manetatsu.com 岡田 佳久