佐渡金山「強制労働」なしに批判 韓国各紙、尹政権を糾弾も
【ソウル共同】世界文化遺産登録が決まった新潟県の「佐渡島の金山」で働かされた朝鮮半島出身者に関する展示が現地で始まったことを受け、韓国メディアは29日、内容に「強制労働」の表現がない点を批判的に報じた。革新系紙ハンギョレや京郷新聞は、登録決定に同意した尹錫悦政権の「外交の失敗」と糾弾した。 ハンギョレは「日本は全体の歴史を反映させると約束したが、最も重要な『朝鮮人強制動員』が抜け落ちたのは看板倒れ」だと批判。京郷は「加害者の日本が強制性を認めず、被害者の韓国が戦争犯罪の黒歴史を黙認した」とした。 中央日報は、展示を取材した記者が「徴用が合法的な行為だという点を強調しているようだった」と報じた。東亜日報は「今後も論争が予想される」と指摘した。 朝鮮半島出身者らを巡っては、2015年の「明治日本の産業革命遺産」の登録決定時、日本は「forced to work(働かされた)」と表現。違法な強制労働を認めたものではないと説明しているが、韓国では強制性を日本が認めたとの解釈も広がった。