森永卓郎が言い残す″最後の警告″「石破茂首相によって令和恐慌が必ずやってきます」
「私は″あの世″の存在を信じていないんです。現世がすべて。だから何も持たずに生まれ、何も残さず去る。それを実現するのが、私にとっての終活ですね」 【画像】森永卓郎 90kgあった体重が50kgに しみじみと語るのは、経済アナリストの森永卓郎氏(67)である。 9月下旬の朝7時30分。森永氏は埼玉県・所沢市の自宅近くにある「マイクロ農園」に姿を現し、収穫の最終期を迎えた長ナス、ピーマン、オクラといった野菜の順調な成長に目を細めた。 「私の提唱する、資本主義の奴隷になるのをやめて田舎か郊外に引っ越す″トカイナカ生活″の一環で、コロナの時期から始めたひとつの社会実験です。資本主義に対抗する生活モデルとして、20坪の畑を借りて食料の自給を目指しています。カネに縛られない生活ができるのが最大のメリットですね」 Tシャツに銘打たれた「投資依存症」のコピーは、自著のタイトルだ。森永氏自身が依存症であることをアピールしているわけではなく、「投資の本質はギャンブルであり、無計画な資金の投入はリスクが大きい」と説いた「脱・投資」のメッセージである。 ◆いまも一日18時間は仕事 最高90㎏近くあったという体重は現在、50㎏ジャスト。往年の巨体は見る影もないが、それでも本人はいたって意気軒昂だ。 「体調は絶好調なんですよ。末期のがん患者ということさえ除けば、どこも悪いところはありません(笑)」 昨年12月、膵臓がんの「ステージ4」と診断(その後「原発不明がん」に診断変更)された森永氏は、医師から「来年の桜を見るのは難しいかもしれない」と事実上の余命宣告を受ける。 ところがその後、自由診療の血液免疫療法と、免疫療法薬の「オプジーボ」を併用しながら小康状態を保つことに成功している。 9月13日には経済産業省の元官僚・岸博幸氏との共著『遺言 絶望の日本を生き抜くために』(宝島社)を刊行し、持論である「財務省支配からの脱却」と「日本の株式市場バブル説」を力説したが、言い足りないことや、やり残したことがまだまだあるようだ。 「いまも一日18時間は仕事をしています。(教授を務める)獨協大学の秋期授業も始まりましたし、おそらく日本初となる、背筋が凍るような投資家向けの″寓話集″の単行本の原稿も執筆していて、最終盤にきています」 すでに保有していた株式のほとんどを売却し、生前整理を進めてきた森永氏だが、タカラトミーの株式だけは保持した。 「私は筋金入りのトミカコレクターで、株主優待のプレゼントであるオリジナルのトミカとリカちゃんは貰い続けたいと思っているので(笑)」 ◆消費税は「15%」へ 自分が本当にやりたいことを、とことん追求してきた森永氏の人生だが、その根底には国を憂える「国士」としての一面がある。 10月1日、国会の首班指名選挙において、自民党新総裁となった石破茂氏(67)が内閣総理大臣に選出された。森永氏が暗黒の未来を予言する。 「85%の確率で高市早苗さん(63)が選出されると思って総裁選を見ていましたが、どうしても高市政権じゃ困るという方々がいたんでしょう。石破さんの首相就任で、令和恐慌の到来は確実です。9人いた総裁選候補者のなかで、もっとも増税に寛容だったのが石破さんでした。彼は経済の専門家ではないので、すっかり財務省に洗脳されている。今後の大増税、社会保障カットは確実です。 私は新総裁が決定した金曜日(9月27日)夕方の段階で、翌週月曜日の株価暴落を予言しましたが、まさにその通りになった。今後、消費税は15%に向かって突き進み、バブル状態だった日本の株式市場は弾けます。日経平均は年内にも1万円台、最終的に3000円台にまで落ちるでしょう。住宅ローンの変動金利も間違いなく0.15%は上昇しますから、株をやっていない国民にも大きな影響が及ぶと思います」 なんとも重苦しい予測を披露する一方で、森永氏は自身と同い年の石破新首相にある種の親近感を抱いているという。 「石破さんは、私と同じオタク人間。友達はいなくて、軍艦や戦闘機、鉄道のプラモデルを美しく仕上げるのが何より幸せという人なんですよ。私が行く秋葉原のプラモデル店に石破さんも通っていたので、その真正オタクマインドは手に取るように分かる。オタクに悪い人はいません。石破さんは周囲の言うことを聞くいい人なんです。ただ、総理がそれだと強力なリーダーシップを発揮するのは難しいと思います」 庶民派の経済アナリストとして人気を博してきた森永氏だが、日本国民への最終警告とは――。 「日本株は売り一択です。老後になって路頭に迷う人を一人でも減らしたい。それが、人生が残り少なくなった私の最後の仕事かなと思っています」 「何も残さない」と言いつつ、森永氏は同胞に金言を託して去ろうとしている。 『FRIDAY』2024年10月18・25日合併号より
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