長谷部誠、引退後はフランクフルトU―19のコーチへ 最終戦では子供を抱きしめ涙「家族は大きな存在」
【フランクフルト(ドイツ)18日=了戒 美子】サッカーのドイツ1部最終節は18日各地で開催され、元日本代表MF長谷部誠(40)のフランクフルトは、ホームでライプチヒと1―1で引き分けた。今季限りでの引退を表明していた長谷部は後半45分から出場し、ボランチで最後のプレーを見せた。 笑顔さえ見せていた長谷部が、感極まったのは試合後だった。2人の子どもが、ピッチ上で観客に挨拶をする長谷部に駆け寄る。2人をぎゅっと抱きしめた長谷部は、涙にくれしばらく顔をあげられなかった。「自分とってはやっぱり、家族はとても大きな存在だったので。まあそれが思ったよりも、感情が出た。恥ずかしながら」と自身にとっても思いがけず涙したことを明かした。 フランクフルトにはブラジルW杯直後の2014―15シーズンから在籍。残留争いに始まりドイツ杯優勝、EL優勝と酸いも甘いも経験し、第2の故郷と愛着を表現している。同日、フランクフルトの重鎮で元ドイツ代表のセバスチアン・ローデも引退を表明。2人は共にクラブやサポーターから手厚く引退を祝われた。今季は先発わずかに2度と、状況がいいとは言えず、今日を迎えるまでに時間があったこともあり「きょうが特別なものだとは思っていなかったというか、あまり後悔がないのかな。こうしてね、健康な体で辞められるし。なので自分でも大丈夫かと思うくらい、淡々としているというのはありますね」と平静を保っていられるとした。 今後長谷部は、休暇を経てクラブのU―19にコーチとして残る。それでもまだ引退の実感はわかないようだが、着実に次の道へと踏み出していた。
報知新聞社