<春風を待つ―センバツ・宇治山田商>選手紹介/4 /三重
◇遠投100メートル、水泳で肩強く 郷壱成左翼手(1年) 昨秋の東海大会2回戦の中京(岐阜)戦で四回表1死一、三塁、持ち前の速いスイングで右前に適時打を放ち、好機を演出した。外野手として遠投100メートルの強肩を誇り、正確な送球で相手の進塁を許さない。 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 強い肩は、中学時代に取り組んだ水泳のたまものだ。名張市出身で、桔梗が丘中での3年間、野球部と市内の水泳教室を掛け持ちした。野球がもっとうまくなりたいと父に相談したところ、「肩を強くした方が良い」と提案されたためだ。バタフライも得意種目になった。 「村田治樹監督の下で野球に打ち込みたい」と宇治山田商へ進学。母と伊勢市内で暮らす。村田監督も「潜在能力を感じる」と期待を込めて見守る。「守備範囲をより広くするため、打球の判断力を強化したい」と、大会までに守備の向上を目指す。 ◇俊足生かし得点に絡む 山本湊乃介中堅手(2年) 俊足のチャンスメーカー。秋の公式戦では1番や9番を任され、選球眼を生かして打率は4割3分2厘と良い流れを作った。 東海大会の準決勝・豊川(愛知)戦で六回表2死三塁、打球は内野ゴロだったが、50メートル6・3秒の俊足は、全力ダッシュで一塁セーフ。その間に阪口諒真(1年)を生還させた。「この場面が最も印象に残っている。センバツでは、足も絡めた安打を見せたい」と誓う。 守備範囲の広さと判断力が評価され、秋の地区大会から中堅手に定着している。年末の強化練習で普通乗用車のタイヤを70メートル押し、約120段の階段ダッシュ10往復を積み重ねた。「きつかった分、精神的にも鍛えられた」と振り返る。 度会町出身。「野球も勉強も全力でやりたい」と、宇治山田商での野球に充実感を味わっている。=随時掲載 〔三重版〕