山本美憂が引退試合で無念の一本負け。セレモニーでは「こんな幸せなアスリートっていないんじゃないかと思っています」と感謝の言葉【RIZIN.45】
女子レスリングの元世界王者で格闘家の山本美憂(KRAZY BEE / SPIKE22)が「RIZIN.45」(12月31日、埼玉・さいたまスーパーアリーナ)で現RIZINスーパーアトム級王者の伊澤星花(Roys GYM)を相手に引退試合に臨んだ。試合は得意のタックルで果敢に攻め込むも2Rにリアネイキッドチョークを極められ無念の一本負けを喫した。 1R、オーソドックスの伊澤とサウスポーの美憂。美憂がタックルからテイクダウンも伊澤はそのまま首を取りフロントチョークにとらえる。美憂は首を抜くと一瞬ハーフになりかけるが伊澤がガードに戻す。ともにパンチをコツコツと打ち合う。伊澤は美憂のすきをついてフロントチョーク。美憂が首を抜くとガードから脳天にヒジを落とす伊澤。伊澤は首を持って立ち上がることに成功。美憂はロープに押し込んでヒザ。なおもコーナーに押し付けヒザ。伊澤もヒザを返す。伊澤はコーナーを背にフロントチョーク。美憂に前から乗りかけるが美憂は許さず。ブレイクとなるが再び美憂がタックルからテイクダウンも伊澤はガードに入れてフロントチョークを狙う。 2R、伊澤が前蹴り、ヒザ。美憂はかいくぐりタックルも伊澤は体を入れ替えチョークの体勢に捕獲。そしてリアネイキッドチョークで絞め上げるとたまらず美憂がタップした。
試合後に行われた引退セレモニーで美憂は「皆さん、こんにちは。まだ悶々としているというか、本当は勝ってリングを降りるつもりだったんですが、不思議な気持ちです。これだけは試合前から言おうと決めていたんですが、私って戦歴的にはよくないというか、そんな選手だったにもかかわらず、RIZINの皆さん、ファンの皆さんが毎回変わらず応援してくれていて。振り返って、こんな幸せなアスリートっていないんじゃないかと思っています。本当に寂しいです。でもまたこれからいろいろなことに挑戦していきたいと思っています。なので、これからもよろしくお願いします。そしてここまで支えてくれた家族、コーチ、チームメイト、みんなにありがとうと言いたいです。みんな、本当にありがとう」と感謝の言葉を述べ、目頭を押さえた。続けて「日本にいないグアムの人たちにも」と言って英語でも感謝の言葉を述べた。 そして引退の10カウントゴングが鳴らされたのだが、その間も美憂は両手で顔を覆ったまま。最後に名前をコールされると右手を挙げてファンの声援に応えた。