筋トレブームで大人気「プロテイン」の真実…「どれを選ぶか」「どう飲むか」を専門家が指南
乱立するネット情報
こうした種類、製法の違いに加え、あとは安心できる会社から買うのがよいと思います。長年プロテインをつくっている会社であれば心配はないと思いますが、突如として表舞台に出てきた会社の場合、実績も製造工程も不透明だったりすることがありますから、安いからといって安易に飛び込むことには注意しましょう。 海外製も良いブランドはたくさんあります。ただし、何かあったときの保証などを考えると、国産の方が安心という見方があってもいいかもしれません。 また、粉末でキロ単位で売られているものが主流になっていますが、湿気が入らないように丁寧に管理する必要があるので、心配な方は、薬局やコンビニでパック型ドリンクとして売られているものから始めてみるのも一つの手です。 ――ネットやYouTubeなどの情報について 杉浦 プロテインに関しては、様々なネット記事やYouTube動画などが乱立している状態だといえます。中にはあまり知識がない方が発信されているケースもあるし、「ポジショントーク」的な発信をされている方も少なくないように見えます。「論文を参照している」と一口に言っても、その研究の背景や被験者の詳細などの「文脈」まで理解していないと、実態とはズレた認識になってしまう可能性もあります。一つの過激な情報に踊らされないよう、注意しながら情報収集をしていただけたらと思っています。 〈第1回【「腎臓に悪い?」「添加物だらけって本当?」専門家が解説する「プロテイン」の“基礎知識”と見過ごせない“注意点”】では、プロテインの腎臓への影響や製造工程から見た安全性、そして摂取するときの注意点などについて詳述している。〉 杉浦 克己(すぎうら かつみ) 立教大学スポーツウエルネス学部特別専任教授。博士(学術)。明治製菓で研究員、「ザバス スポーツ&ニュートリション・ラボ」所長などを経て、2008年より立教大学コミュニティ福祉学部スポーツウエルネス学科教授に就任。複数の大学で講師を務めつつ、23年より現職。運動を通じた健全な発育や健康増進、パフォーマンス向上などに対し、栄養学的にアプローチすることを研究テーマとしている。近著に『一般教養としてのサプリメント学』(草思社/24年8月)。YouTubeチャンネル「杉浦克己教授のリアルスポーツ栄養学」(https://www.youtube.com/@Katsumi-Sugiura)でも栄養学に関する情報を発信している。 デイリー新潮編集部
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