乳がんのしこりは「痛みなしがほとんど」 医師がしこりの良性・悪性の違いを解説
胸にしこりを見つけたら、誰でもドキッとするはず。まず頭に浮かぶのは乳がんだと思いますが、乳がん以外にもしこりの原因となるものはあります。一体、どのような疾患がしこりの原因となるのでしょうか。Hanaクリニック乳腺外科の朴先生に聞きました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
女性で「胸にしこりがある」「しこりができる」症状と主な原因を医師が解説
編集部: 「胸にしこりがある」とは、具体的にどのような症状のことを言うのですか? 朴先生: しこりとは医学用語で「腫瘤(しゅりゅう)」といいます。簡単にいうと腫瘤とは、できものやこぶ、はれものなどの総称です。 編集部: なぜ、胸にしこりができるのですか? 朴先生: 胸にしこりができるときは、病気の可能性があります。よく「乳がんでしこりができる」といわれますが、実は乳がん以外にもしこりができる病気はさまざまあります。 編集部: では、しこりがあるからといって、必ずしも乳がんではないのですか? 朴先生: はい。しこりには良性と悪性があり、良性のしこりが悪性化することはありません。ただし、良性のしこりでも徐々に大きくなったり、良性のように見えて実は乳がんであったりすることもまれにあるので注意が必要です。
乳がんじゃなくてもしこりはできる 乳腺線維腺腫など胸にしこりがある症状で乳がん以外で考えられる病気
編集部: 胸にしこりができる原因として、どのような疾患が考えられるのですか? 朴先生: しこりがある場合には、以下が疑われます。 ・乳腺症 ・嚢胞 ・線維腺腫 ・葉状腫瘍 ・乳腺炎 ・乳がん など 編集部: このなかで悪性のものはどれですか? 朴先生: 乳がんです。葉状腫瘍は一部悪性のものもあります。悪性の場合は全身にひろがり、体に悪い影響を及ぼすため治療が必要です。そのほかの良性の疾患は、症状に合わせて治療を検討します。 編集部: しこりで特に多く見られるのはどれですか? 朴先生: 最も頻度が高いのは乳腺症です。胸の痛みで来院される方の多くは乳腺症と診断されます。症状の大部分は周期性で、生理前になると症状が強くなりますが、月経周期によって消失することが多いですね。 編集部: ほかに多いものは? 朴先生: 乳腺線維腺腫は20~30歳代の女性に多く、しこりのほとんどは1cm程度の大きさです。小さくなることもありますが、大きくなることもありますので注意が必要です。