昭和の〝あぶない記者〟も共感「帰ってきた あぶない刑事」 タカ&ユージは〝正しく〟ルールを破ってくれた
共演陣、ファッションも〇、カタルシス満載
蛇足であるが、映画的に高く評価できる箇所を書く。音楽がBGMも含めてレベルが高い。舘、柴田、土屋が軽くリズムを取るシーンがあるが、人物の内面まで表している。ナイトクラブのジャズもしみる。ピアノの安部潤が〇。登場人物のファッションも、相変わらず気が配られている。シリアスシーンを担う岸谷五朗、吉瀬美智子、深水元基が、主役の「ムチャ」に引きずられることなく映画を引き締めている。 さらにプログラムピクチャーには「これがなきゃ」というカタルシスシーンが必ずある。「007」の「ボンド、マイ・ネーム・イズ・ジェームズ・ボンド」とか「水戸黄門」の「助さん角さん、もういいでしょう」とか「寅さん」の「それを言っちゃおしめえよ」のシーンである。本作は全編端から端まで「それ」で埋め尽くされている。好きな人には、たまらない! 存分に昭和を満喫していただきたい。 場面写真は東映提供。
毎日新聞客員編集委員 川崎浩