橘氏を官房副長官に 石破政権、林長官続投で調整
自民党の石破茂総裁(67)が、橘慶一郎衆院議員(63)=富山3区、5期、高岡市=を官房副長官とする方向で検討していることが28日、分かった。関係者が明らかにした。岸田内閣で官房長官を務める林芳正氏(63)を引き続き官房長官とし、参院側の官房副長官には青木一彦元国土交通副大臣(63)を起用する方向で調整している。石破氏と橘氏ら3氏が新たな官邸の要となるとみられる。 橘氏は富山新聞の取材に対し「現時点で人事に関する連絡は受けていない」と述べた。 橘氏と青木氏は総裁選で石破陣営の中核を担った。橘氏は選対副本部長として党員対策を担当。橘氏は国会議員当選後、石破氏が出馬した2012、18、20年の総裁選で推薦人を務めた。今回は4度目の推薦人となり、初めて石破氏が新総裁に就いた。富山県内の党員・党友票は石破氏が最も多く獲得し、全国でも5番目に多かった。石破氏の当選に貢献したことも考慮された可能性もある。 今回の総裁選中、石破氏は富山新聞の取材に「橘さんは頑張ってくれている」と話すなど、評価していた。 官房副長官は官邸の中枢で内政、外交全般に携わり、首相の腹心が務めるケースが多い。重要政策の立案、省庁間の調整、首相の外遊への同行などを担う。副大臣級とされるが、閣僚と並ぶ場面もあり「準閣僚級」とも言われる。衆参の国会議員1人ずつと、事務担当の官僚の計3人体制となる。 党関係者によると、「官房副長官を務めれば、どの大臣もこなせる」と言われるほど、幅広い分野で経験を積むことができる。官邸を支える扇の要としての役割も担うことになる。 県関係では、参院側の副長官は安倍政権で、野上浩太郎参院議員が2016年から約3年間務めたことがある。長勢甚遠元法相も小泉政権で衆院側の官房副長官を務めた。 橘氏は2009年初当選。総務政務官、復興副大臣を2度務めたほか、衆院文部科学委員長などを歴任。自民では衆院5期以上は「入閣待機組」とも言われる。