あなたの仕事が際限なく増える原因は「不安」にある(滝川徹 時短コンサルタント)
■不安をベースに仕事していると、タスクはどんどん過剰になる
不安がなければどうするか? これは「冷静に考えよう」と同義と言える。不安を取り除いた状態という、より明確なイメージで自分に問いかける習慣をもっていれば結果冷静な対応ができる。 こうした不安からくる「念のため」にしていた不要な行為はほかにも見られるのではないだろうか。昔の私のように口頭で話せば5分ですむ話を「相手の時間を奪ってはいけない」と考えてメールにしたり。同僚が過去に集めた資料を見せてほしいとお願いしたいが「不快にするかも」と自分でいちから集めたりするなど。 不安をベースに仕事をしていると、タスクはどんどん過剰になっていく。「不安がなければどうするか?」と考え行動する習慣があれば、仕事は大胆に減らすことができる。仕事のスピードも格段に上げることが可能となる。 君には仕事に限らず、不安を原動力に行動しないことを提案したい。たとえば同僚が資格試験の勉強をしていたり、MBA(経営学修士)を取るためにビジネススクールに通っていれば焦りや不安が生じることもあるだろう。 そんなときも「不安がなければどう考える?」と自分に問いかけ、出てきた答えに勇気を出して身を委ねてみてほしい。その答えは「アイツとは求めるキャリアが違う。自分にMBAは必要ない」かもしれないし、「資格より人脈づくりの場に多く顔を出すようにしよう」かもしれない。 他者との比較ではなく、自分自身のライフプランとして現実に即した選択肢で行動すればよい。神様は勇気を出して行動した人を見捨てたりしない。少なくとも私はそう考えている。
【プロフィール 滝川徹・時短コンサルタント】
1982年東京生まれ。Yahoo!ニュース・アゴラで執筆記事が多数掲載される現役会社員・時短コンサルタント。慶應義塾大学卒業後、内資トップの大手金融機関に勤務。長時間労働に悩んだことをきっかけにタスク管理を習得。2014年に組織の残業を削減した取り組みで全国表彰。2016年には「残業ゼロ」の働き方を達成。時間管理をテーマに2018年に順天堂大学で講演を行うなど、セミナー講師としても活動。受講者は延べ1,000名以上。月4時間だけ働くスタイルで4年間で500万円の収入を得る。著書に『細分化して片付ける30分仕事術(パンローリング)』『ちょっとしたスキルがお金に変わる「副業講師」で月10万円無理なく稼ぐ方法(日本実業出版社)』他。