『親父はよくも悪くも人間力の強い人だった』阪神・淡路大震災時には能登半島から駆けつけ復興支援…そんな父から受け継いだ「そば店」が今回の地震で被災 それでも過酷な状況を乗り越えて再開目指す息子
2007年の震災時に大きな打撃を受けた後、3年前に完全復興したばかりの寺が、石川県輪島市にあります。しかし、今回の地震でまた大きな被害が出てしまい、寺の人は「言葉が出ない」と話します。 【写真を見る】3年前にようやく完全復興も…再び建物などが倒壊してしまう被害を受けた總持寺祖院
輪島市門前町にある總持寺祖院。700年を超える歴史ある寺を震度6強の地震が襲いました。 (JNN取材団記者リポート)「本来であればこちら側と同じように向こうにもつながっていたと思われますが、建物が大きく崩れてしまっています」 国の文化財に指定された建物などが倒壊。参道も隆起するなど大きな被害が出ました。 (總持寺祖院 高島弘成副監院)「言葉がなかったです。ある程度、耐震というのを想定した工事をして、でもこれだけの被害があったということですから」 実はこちらの總持寺祖院、17年前の能登半島地震でもお堂が全壊するなど大きな打撃を受け、14年の歳月をかけて3年前にようやく完全復興したばかりでした。 (總持寺祖院 高島弘成副監院)「14年という長い歳月をかけて文化財の保存修理工事と耐震工事、伽藍ひとつひとつ行ってきたんですよ。なんとも言えない気持ちになりますよね、一瞬ですからね」 地震による被害は總持寺とともに前回の地震から立ち上がってきた門前の商店街でも。その一画にあるお店「能登手仕事屋」も被災して、店内には入れない状態になっています。「能登手仕事屋」の星野恵介さん(45)は、父親が約30年前に始めたそば店を引き継ぎ、この場所で営業を続けてきました。 (星野恵介さん)「店は2007年の地震で建て替えたのできれいですけど、2007年当時の店は築100年以上経っていたのですごかったですね。ボロボロになっていて」 2007年の地震の時の映像。地震の被害を受けた店を案内するのは星野さんの父・正光さんです。当時、区長を務めていた正光さんは地域の復興を先頭に立って進めていました。 行動力があり、自分のことより地域のことを考えていたという正光さん。阪神・淡路大震災の時には、発生3日目の神戸にボランティアとして駆けつけました。その年の秋には、被災した小学生を励まそうと、神戸から20人を能登半島に招くなどしていました。