印鉄鋼メーカー、EVに進出 中国自動車大手と合弁会社設立
インドの鉄鋼メーカーJSWグループが中国の自動車大手上海汽車集団(SAICモーター)と電気自動車(EV)の合弁会社を設立、インドで年産10万台、最終的には30万台に増やし、国内シェアでは33%の確保をめざす。 【関連写真】合弁会社が来年販売する「Cyberster」 JSWグループは鉄鋼、エネルギー、インフラ、セメント事業などを展開するインドの代表的企業グループ。鉄鋼事業には日本のJFEスチールも資本傘下している。 JSWグループは昨年、SAICとの合弁会社設立で合意しているが、このほど新会社「JSW MGモーター・インディア」の事業戦略が明らかになった。MGはSAIC傘下のブランド名。 JSWグループのサジャン・ジンダル会長によると、同グループが35%、中国側のSAICが49%を占めるが、国内の金融機関8%、MGブランド車の販売ディーラー3%、従業員が5%の株式保有のためインド側が全部で51%を占めるという。 同会長によると、SAIC側は明確な時期を示している訳ではないが、徐々に持株を売却することで中国側の出資比率を引き下げていく見通し。 インド政府が中国自動車メーカーのインド進出に警戒感を示している折、中国側は新合弁会社の出資比率を抑えたとみられる。 合弁会社が生産するのは現地の需要に特化した小型で価格を抑えた車種で、3~6月ごとに1車種投入の予定という。 インドの小型車市場では日本の軽自動車メーカーとの合弁マルチ・スズキが強く、先行メーカーに一刻も早く追い着きたいというのがジンダル会長の意向だ。 合弁会社の販売戦略としては、MGブランドのプラグインハイブリッド(PHEV)型オープンカー「Cyberster」を25年インドで発売する。スポーツカー・ブランドで知名度のある「MG」を全面に打ち出すことで、インドのハイエンド市場の一角を狙う。
電波新聞社 メディア事業本部 報道部