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　101歳、現役の化粧品販売員として活躍している堀野智子（トモコ）さん。累計売上高は約1億3000万円で、「最高齢のビューティーアドバイザー」としてギネス世界記録に認定されたキャリア61年のトモコさんが、年をとるほど働くのが楽しくなる50の知恵を初公開した話題の書『101歳、現役の化粧品販売員 トモコさんの一生楽しく働く教え』（ダイヤモンド社）より一部を抜粋・編集したものをお送りする。佐藤優氏（作家・元外務省主任分析官）が「堀野氏の技法は、ヒュミント（人間による情報収集活動）にも応用できる」と絶賛（日刊ゲンダイ・週末オススメ本ミシュラン）する世界一の先輩による“人生訓”は、アナタの疲れた心を元気にしてくれる！ ●　オリジナルの「顧客売上帳」 　私は、この仕事を始めたときから、欠かさずオリジナルの「顧客売上帳」をつけるようにしています。 　この顧客売上帳は、化粧品を買ってくれたお客様のデータ管理のために使っていたのですが、それとは別に営業所に対して報告書を提出することになっていました。 　どういうお客様に、どの商品をいくつ買ってもらったか、売り上げが立つたびに、その取引を記録するのが決まりでした。 ●　ルールを愚直に守る 　私はそのルールを守り、お客様の名前、住所、いくら買ってもらって入金はいくらだったかを、欠かさず書くようにしていました。 　ところが、後から知ったのですが、私と同時にセールスレディを始めた他の5人は、最初の数回は提出したものの、その後は誰も提出していなかったのだとか。 　何年もたってからわかったことですが、当時、事務員さんだった人で、後に営業所長になった女性から、「ちゃんと報告書を提出してくれたのは、堀野さんだけだったよ」と言われて驚きました。 ●　主婦のお小遣い稼ぎ では満足できない 　今なら報告書を出さないなんてあり得ないと思いますが、そのころはそれでも通用したのですね。「仕事」という意識をしっかりもってやるというよりも、「主婦でもやれると聞いたから、お小遣い稼ぎにやってみようか」という人が多かったのかもしれません。 　別にそのことを批判するつもりも、非難するつもりも一切ないんですよ。そういう時代だったし、そうした働き方もあっていいと思うんです。 　私が報告書を欠かさず提出していたのは、主婦のお小遣い稼ぎでは満足できないのが自分でわかっていたからなんです。 ●　お金を稼げる「仕事」にする 　私の中には、「自分はこれを、ちゃんとお金を稼ぐ『仕事』にするんだ」というはっきりとした思いがありました。子どもが将来、大学へ行きたいと言えば、お金を出してやりたいと思いましたし、それを実現するには、自分が働くのが手っ取り早いとも思っていました。 　そのころは日本の高度経済成長期で、まだ夫は仕事、妻は専業主婦として家庭を守るという時代です。一家の主婦で働きに出る人は、そう多くありませんでした。 　あからさまに言われたことはありませんが、「外で働かなくちゃならないなんて、かわいそうに」という目で見られていたかもしれません。 ●　働けるのは幸せなこと 　でも、私自身はそういうふうに思ったことは一度もありません。むしろ、「働けるのは幸せなこと」と思っていたくらいです。 　だって働けるということは、心身ともに仕事に耐えられるだけの健康があり、自分を頼りにしてくれている人がいるということだと思っているからです。 　かわいそうどころか幸せ者……これこそが一貫した私の「働くこと」に対する考え方なんです。 ●　夫の3倍稼いだことも 　それに県庁勤めの主人のお給料が1万円だったとき、私は3万円の収入があったんです。夫の3倍稼いでくる妻というのは、あのころは少なかったと思いますよ。 　主人に対しては言わないようにしていましたが、「私、この人の3倍も稼げるんだから」と思うとかなりいい気分でした。 　主人の名誉のために言い添えておきますと、そのうち主人は役所でどんどん出世し、昇給していったので、“妻の収入3倍期間”は、そう長くは続きませんでした。 　※本稿は、『101歳、現役の化粧品販売員 トモコさんの一生楽しく働く教え』（ダイヤモンド社）より一部を抜粋・編集したものです。